重農主義ではもはや幕政が機能しないということを悟(さと)った意次は、自(みずか)らが政治の実権を握ると現実的な重商主義(じゅうしょうしゅぎ)に政治の姿勢を切り替えるとともに、開明的な政策を次々と実行してきました。
意次がまず行ったのは、幕政における予算の編成でした。現代では当然の予算制度ですが、江戸幕府においては、それまでは必要な際に幕府の金蔵(かねぐら)から金銀を引き出していたのです。このようないわゆるドンブリ勘定(かんじょう)を続けていては、いつまで経(た)っても経費節減はできません。そこで、意次の時代になって初めて予算制度が成立したのですが、費用の割合はどうだったのでしょうか。
意次が自己の保身を図ろうとすれば、当然将軍家や大奥の費用を多めに計上すると思いますよね。ところが史実は全く逆であって、年を経(へ)るごとに減らされていきました。その一方で、町奉行などの民政に関する費用は据(す)え置かれていますから、結果としてかなりの経費削減に成功していることになります。
本当に幕府のためになる政治を目指すのであれば、将軍家や大奥のご機嫌を取ることなく、思い切った手段を実行する―。意次の「政治家」としての優秀さがうかがえる政策の一つですね。




いつも有難うございます。
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ぴーち こんにちは!
昨日は大勢の方のご参加があったとのこと、
良かったですね^^
お疲れ様でした!
田沼意次という方は、本当は国民の為になるような政治に心血を注いだ
方だったのですね。続きがまた楽しみです♪
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 昨日は大勢の方のご参加があったとのこと、
> 良かったですね^^
> お疲れ様でした!
ありがとうございます。おかげさまで今日(24日)も暑い中を清々しい思いで東京観光を続けております。
> 田沼意次という方は、本当は国民の為になるような政治に心血を注いだ
> 方だったのですね。続きがまた楽しみです♪
そうなんですよね。誤解された政治家・田沼意次の名誉回復を今後も目指したいと思います。
こんばんは
ryo 先生の動画を見て、さらに復習の意味でもブログを拝見させていただいています。田沼意次という人は素晴らしい人ですね。平成の田沼意次は現れるのでしょうか。それとも当てはまる人っていると思いますか。
J時永 昨日の東京講演お疲れ様でした!!
先生の生授業を受けることができてとてもうれしいです^^
先生が昨日扱われた場面は学校ではそこまで詳しくやりませんでしたし、私が勉強していてもただ表面上の史実だけを追っていました。そういうことを考えれば先生の授業は大変斬新で興味深いものでした。
「歴史のif」について考えるというのはとても難しいことだと思います。その時に何が起きるかは予想できても現代までどのような影響を及ぼすかいうの想像力だけでなく論理の飛躍を回避するスキルも必要です。それを昨日の講義のように非常に整理された形に仕上げることができる黒田先生を非常に尊敬しますv
私はまだ浅学の身ですがこれからもどうぞよろしくお願いします。また東京にいらっしゃるときはどうぞお知らせください!
それでは^^/
ryoさんへ
黒田裕樹 以前から書かせていただいておりますように、田沼意次ほど誤解を受けると同時に不当な評価しかなされていない歴史上の人物はいないと思っております。
平成の田沼意次ですか。救国という意味では決して人材がいないわけではありません。ただ、彼らを国政の舞台に送り出せるだけの支持が現状では不足しているかもしれませんね。国民が変わらなければ、国の命運も変わりませんから。
J時永さんへ
黒田裕樹 こちらこそお世話になりました(^^♪
私の講座(今の高校での授業にも言えることですが)では表面的な史実を紹介するよりも、その過程についてじっくり時間をかけて説明しています。目先の歴史用語の羅列をいくらそろえたところで、流れを理解した歴史の知識にはどうあがいてもかないませんからね。
「歴史のif」については確かに万民を納得させる説明や本人の理解が必要ですから難しいといえますね。でも、だからこそやりがいがあるというものですよ(^ω^)
東京講座は今後も続けていきます。また是非講座でお会いしましょう(^O^)/
昨日は大勢の方のご参加があったとのこと、
良かったですね^^
お疲れ様でした!
田沼意次という方は、本当は国民の為になるような政治に心血を注いだ
方だったのですね。続きがまた楽しみです♪
応援凸
> 良かったですね^^
> お疲れ様でした!
ありがとうございます。おかげさまで今日(24日)も暑い中を清々しい思いで東京観光を続けております。
> 田沼意次という方は、本当は国民の為になるような政治に心血を注いだ
> 方だったのですね。続きがまた楽しみです♪
そうなんですよね。誤解された政治家・田沼意次の名誉回復を今後も目指したいと思います。
先生の生授業を受けることができてとてもうれしいです^^
先生が昨日扱われた場面は学校ではそこまで詳しくやりませんでしたし、私が勉強していてもただ表面上の史実だけを追っていました。そういうことを考えれば先生の授業は大変斬新で興味深いものでした。
「歴史のif」について考えるというのはとても難しいことだと思います。その時に何が起きるかは予想できても現代までどのような影響を及ぼすかいうの想像力だけでなく論理の飛躍を回避するスキルも必要です。それを昨日の講義のように非常に整理された形に仕上げることができる黒田先生を非常に尊敬しますv
私はまだ浅学の身ですがこれからもどうぞよろしくお願いします。また東京にいらっしゃるときはどうぞお知らせください!
それでは^^/
平成の田沼意次ですか。救国という意味では決して人材がいないわけではありません。ただ、彼らを国政の舞台に送り出せるだけの支持が現状では不足しているかもしれませんね。国民が変わらなければ、国の命運も変わりませんから。
私の講座(今の高校での授業にも言えることですが)では表面的な史実を紹介するよりも、その過程についてじっくり時間をかけて説明しています。目先の歴史用語の羅列をいくらそろえたところで、流れを理解した歴史の知識にはどうあがいてもかないませんからね。
「歴史のif」については確かに万民を納得させる説明や本人の理解が必要ですから難しいといえますね。でも、だからこそやりがいがあるというものですよ(^ω^)
東京講座は今後も続けていきます。また是非講座でお会いしましょう(^O^)/