となれば、商人もいつかは米を売らなければなりませんし、幕府や藩も備蓄米をいつまでも貯(た)め込(こ)めませんから、いずれは処分しなければいけません。ではいつ手放せば良いのでしょうか?
この当時の農民は、先述した国役(くにやく)や伝馬役(てんまやく)など、農作業以外にも様々な雑務(ざつむ)に追われていました。これらはタダで働かされるのではなく、それなりの報酬(ほうしゅう)が与えられていたのですが、それらはカネの他に米で支払われていました。
つまり、農民にとっては自分で収穫した米を買い戻すという煩(わずら)わしさはあったものの、最終的には自分たちも米を食べることによって、一年に収穫された米はすべて消費されたことになりますし、こうでないと辻褄(つじつま)が合わなくなるのです。
これまで述べてきたように、農民が貧しくて米を食べる機会がほとんどなかったという考えは間違いであったことが明らかになりましたが、実は江戸時代の農民は私たちの想像以上に豊かだった可能性が高いという真実を皆さんはご存知でしょうか?
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)




いつも有難うございます。
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ぴーち こんにちは!
なるほど、そういう仕組だったんですね。
やせ我慢という意味の「武士は食わねど高楊枝」なんて言うことわざがありますが、実際のところ、一番ひもじい思いをしていたのは、武士だったのかも知れませんね(^^ゞ
現代の農家さんも国からの後ろ盾がある分、裕福な暮らしをなさっているんじゃないかと思っているのですが・・・^^
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > なるほど、そういう仕組だったんですね。
> やせ我慢という意味の「武士は食わねど高楊枝」なんて言うことわざがありますが、実際のところ、一番ひもじい思いをしていたのは、武士だったのかも知れませんね(^^ゞ
仰るとおりだと思います。
考えてみれば、農民に安定して農業を続けてもらうには「生かさぬよう殺さぬよう」では絶対不可能ですからね。
> 現代の農家さんも国からの後ろ盾がある分、裕福な暮らしをなさっているんじゃないかと思っているのですが・・・^^
昔に比べれば農作業も機械化が進んでいますからね。ただ、私自身は農作業の経験がない分、現場のことを存じないのでコメントできる立場にはないですが…。
冷静に考えてみれば。。
青田です。 黒田先生
こんばんは
青田です。
時代劇
貧しい農民、それを苦しめる悪代官
しかし、そんなことが、日本全国で、日常化していたら、
徳川幕府が280年間も続きませんよね。
そういえば
地主クラス、庄屋クラスは、下級武士よりも
経済力があったと聞いたことがあります。
聞いたことが
ろっぽん オランダの土木を学んだ川村又兵衛という
人物が百姓を国役として労役させ
沼の干拓、貞山堀という仙南地域と塩釜港を米の運搬する運河や伊豆の堰という簡易ダムを作り
洪水や灌漑用水の工事をなんと江戸時代にやり
百姓に労賃を与えたため率先して農民たちも労役に服したそうです。意外と西欧のように絶対的に
奴隷のようにこきつわなかったのが、300年も
封建制度が維持できた理由かもしれませんね。
青田さんへ
黒田裕樹 仰るとおり、江戸時代の暮らしを支え続けた農民に対して虐待を繰り返していれば、幕府が長持ちするはずがありません。単純に考えれば分かることですが、なぜか「貧農史観」が当然という印象がありますよね。
経済力については、次回(10日)のまとめで考察することになります。
ろっぽんさんへ
黒田裕樹 仰るように、身分制度といっても西洋のような厳格なものではなく、国益(あるいは地域の益)のためなら官民が協力して土木事業を行うという姿勢が我が国の特異な一面でしょうね。
農民は被支配身分ではあっても、牛馬のようにこき使われたわけではありません。
なおまゆ 全く同感です。
江戸時代の生活に対する誤解はどうして生まれたんでしょうか?
なおまゆさんへ
黒田裕樹 > 全く同感です。
> 江戸時代の生活に対する誤解はどうして生まれたんでしょうか?
有難うございます。
おそらくはチャンバラ活劇の流行によって、常識ではありえない斬り込みが正当化されたり、貧農史観に代表される「支配階級VS被支配階級」の闘争の概念が染みついたりしたことによる誤解ではないかと思います。
なるほど、そういう仕組だったんですね。
やせ我慢という意味の「武士は食わねど高楊枝」なんて言うことわざがありますが、実際のところ、一番ひもじい思いをしていたのは、武士だったのかも知れませんね(^^ゞ
現代の農家さんも国からの後ろ盾がある分、裕福な暮らしをなさっているんじゃないかと思っているのですが・・・^^
応援凸
> やせ我慢という意味の「武士は食わねど高楊枝」なんて言うことわざがありますが、実際のところ、一番ひもじい思いをしていたのは、武士だったのかも知れませんね(^^ゞ
仰るとおりだと思います。
考えてみれば、農民に安定して農業を続けてもらうには「生かさぬよう殺さぬよう」では絶対不可能ですからね。
> 現代の農家さんも国からの後ろ盾がある分、裕福な暮らしをなさっているんじゃないかと思っているのですが・・・^^
昔に比べれば農作業も機械化が進んでいますからね。ただ、私自身は農作業の経験がない分、現場のことを存じないのでコメントできる立場にはないですが…。
こんばんは
青田です。
時代劇
貧しい農民、それを苦しめる悪代官
しかし、そんなことが、日本全国で、日常化していたら、
徳川幕府が280年間も続きませんよね。
そういえば
地主クラス、庄屋クラスは、下級武士よりも
経済力があったと聞いたことがあります。
人物が百姓を国役として労役させ
沼の干拓、貞山堀という仙南地域と塩釜港を米の運搬する運河や伊豆の堰という簡易ダムを作り
洪水や灌漑用水の工事をなんと江戸時代にやり
百姓に労賃を与えたため率先して農民たちも労役に服したそうです。意外と西欧のように絶対的に
奴隷のようにこきつわなかったのが、300年も
封建制度が維持できた理由かもしれませんね。
経済力については、次回(10日)のまとめで考察することになります。
農民は被支配身分ではあっても、牛馬のようにこき使われたわけではありません。
江戸時代の生活に対する誤解はどうして生まれたんでしょうか?
> 江戸時代の生活に対する誤解はどうして生まれたんでしょうか?
有難うございます。
おそらくはチャンバラ活劇の流行によって、常識ではありえない斬り込みが正当化されたり、貧農史観に代表される「支配階級VS被支配階級」の闘争の概念が染みついたりしたことによる誤解ではないかと思います。