そんな宗教勢力に対して、焼討(やきう)ちや反対勢力の皆殺(みなごろ)しなどの思い切った手法で一掃(いっそう)したのが織田信長であり、豊臣秀吉もその政策を受け継ぎました。家康も二人にならって政教分離を進め、その遺志を継いだ江戸幕府によって「寺請制度」として完成したのです。
寺請制度は全国民が必ずどこかの檀家となることを義務づけられ、原則として離脱も許されないという「寺院が住民を支配している制度」ですが、これは裏を返せば、寺院側が「何もしなくても」檀家の参詣や法要、あるいは付け届けで生計が立つようになったことを意味していました。
つまり、江戸幕府という名の国家権力が、寺院に「権益」を与えることによって逆に統制することで、宗教が政治に関わる必要を一切なくしてしまったのです。
かくして我が国では、宗教が政治に関わることがいつしか「あり得ない」こととなり、政教分離の原則が完全に定着しました。そして、これらによる恩恵あるいは影響は、現代においてもなお続いているのです。




いつも有難うございます。
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h.hamauzu ご無沙汰しております。
またじっくりと読ませていただきますね。
先生業がんばってくださいね。
新しい風をおこしてくだされ~
h.hamauzuさんへ
黒田裕樹 お久しぶりです。
毎日何とか頑張ってますよ~(^ω^)
ぜひ講座のご感想もお知らせ下さいね(^^)v
日本型システムの完成。
晴雨堂ミカエル これも上手い手だと思いますな。
江戸時代は世界的にも高水準に完成された行政システムが誕生しました。
幕府の役人、大名の役人、大身旗本の家臣、領国の治安と行政を守るには些か少ない人数で遣り繰りできたのも、名主や檀家制度のおかげともいえます。
圧倒的軍事力と政治力で国民を管理下に置く一方で、権益をうまく分散させて、必要以上にお上に責任が集中しないようになっている。
同時に誰が責任者なのか曖昧になる弊害も出ましたが。
震災や空襲が無かったら、膨大な数の「公文書」が残っていて、江戸時代のかなり細かいところまで判ったでしょうね。
ぴーち こんばんは!
まるで「北風と太陽」の様ですね。
「北風」は信長、秀吉政策であったとすれば、
「太陽」は家康政策であった訳ですね。
韓国が北朝鮮に行った太陽政策も、もしや家康の
政策に倣って行われた政策だったりして・・(^^ゞ
応援凸
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、権益を巧みに分散させた非常に優れたシステムだと思います。
しかし、このシステムが責任者を曖昧にした…もっとも、それ以前から責任者がはっきりしないのが我が国の伝統ではありますが。
責任を明確にすると、かえって権力が集中して独裁者を生みますからね。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 確かに家康の政策は「北風と太陽」の世界における太陽ですね。
もっとも、家康=江戸幕府の場合は背後に強靭な軍事力が控えていたからこそできた芸当ではありますが…。
ひるがえって、北朝鮮と韓国の場合はどうなのでしょうか?
オバrev >寺院に「権益」を与えることによって逆に統制することで、宗教が政治に関わる必要を一切なくしてしまったのです.
なるほど~!あっさりと目的を叶えさせることによって幕府への反発をなくすどころか、その権益を守るために幕府への忠誠を誓うようになるってことですね。
・・・あ、頭良すぎです。体操で言えばウルトラGの技ですね(+o+)
現在の政治家にもこのくらいのしたたかさが欲しい orz
オバrevさんへ
黒田裕樹 > なるほど~!あっさりと目的を叶えさせることによって幕府への反発をなくすどころか、その権益を守るために幕府への忠誠を誓うようになるってことですね。
> ・・・あ、頭良すぎです。体操で言えばウルトラGの技ですね(+o+)
全くその通りです。信長や秀吉の流れをしっかりと受け継いだからこその、江戸幕府による離れ業ですね。
> 現在の政治家にもこのくらいのしたたかさが欲しい orz
…これも仰るとおりです(´・ω・`)
素直さや綺麗事だけでは政治はできません。長い目で見て国民にとって益となる政策を考えてほしいものですが…。そのための教訓は、歴史を振り返れば腐るほど存在しているというのに。
なおまゆ 葬儀の時に今も生きているシステムですね。
今は、それが家庭の負担になってる気がします。
失礼な言い方ですが、坊主丸儲け、の温床なんでしょうか?
住職にはいろんな方がいます。
このシステムの上に乗っかった生臭坊主を良く見るのです。悲しい現実はどうにかなるのでしょうか?
なおまゆさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、まさに「坊主丸儲け」のシステムですね。
今日(3日)の更新でも紹介しましたように、安定した収入が得られることで、本来の宗教が持つべき情熱を失ったことも大きいと思います。
物事はすべてがうまくはいかないものですね。
またじっくりと読ませていただきますね。
先生業がんばってくださいね。
新しい風をおこしてくだされ~
毎日何とか頑張ってますよ~(^ω^)
ぜひ講座のご感想もお知らせ下さいね(^^)v
江戸時代は世界的にも高水準に完成された行政システムが誕生しました。
幕府の役人、大名の役人、大身旗本の家臣、領国の治安と行政を守るには些か少ない人数で遣り繰りできたのも、名主や檀家制度のおかげともいえます。
圧倒的軍事力と政治力で国民を管理下に置く一方で、権益をうまく分散させて、必要以上にお上に責任が集中しないようになっている。
同時に誰が責任者なのか曖昧になる弊害も出ましたが。
震災や空襲が無かったら、膨大な数の「公文書」が残っていて、江戸時代のかなり細かいところまで判ったでしょうね。
まるで「北風と太陽」の様ですね。
「北風」は信長、秀吉政策であったとすれば、
「太陽」は家康政策であった訳ですね。
韓国が北朝鮮に行った太陽政策も、もしや家康の
政策に倣って行われた政策だったりして・・(^^ゞ
応援凸
しかし、このシステムが責任者を曖昧にした…もっとも、それ以前から責任者がはっきりしないのが我が国の伝統ではありますが。
責任を明確にすると、かえって権力が集中して独裁者を生みますからね。
もっとも、家康=江戸幕府の場合は背後に強靭な軍事力が控えていたからこそできた芸当ではありますが…。
ひるがえって、北朝鮮と韓国の場合はどうなのでしょうか?
なるほど~!あっさりと目的を叶えさせることによって幕府への反発をなくすどころか、その権益を守るために幕府への忠誠を誓うようになるってことですね。
・・・あ、頭良すぎです。体操で言えばウルトラGの技ですね(+o+)
現在の政治家にもこのくらいのしたたかさが欲しい orz
> ・・・あ、頭良すぎです。体操で言えばウルトラGの技ですね(+o+)
全くその通りです。信長や秀吉の流れをしっかりと受け継いだからこその、江戸幕府による離れ業ですね。
> 現在の政治家にもこのくらいのしたたかさが欲しい orz
…これも仰るとおりです(´・ω・`)
素直さや綺麗事だけでは政治はできません。長い目で見て国民にとって益となる政策を考えてほしいものですが…。そのための教訓は、歴史を振り返れば腐るほど存在しているというのに。
今は、それが家庭の負担になってる気がします。
失礼な言い方ですが、坊主丸儲け、の温床なんでしょうか?
住職にはいろんな方がいます。
このシステムの上に乗っかった生臭坊主を良く見るのです。悲しい現実はどうにかなるのでしょうか?
今日(3日)の更新でも紹介しましたように、安定した収入が得られることで、本来の宗教が持つべき情熱を失ったことも大きいと思います。
物事はすべてがうまくはいかないものですね。