なぜなら、これらは僧にとっての最高の栄誉(えいよ)であるとともに、朝廷にとっての収入源のひとつでもあったからです。しかし、このように幕府が紫衣の授与を規制したにもかかわらず、後水尾天皇は従来の慣例に従われて、独自に十数人の僧侶(そうりょ)に紫衣の勅許(ちょっきょ、天皇による許可のこと)を与えられました。
後になって事実を知った将軍徳川家光は激怒(げきど)して、再調査を行ったうえで1627年に禁中並公家諸法度に違反した勅許を取り消し、紫衣の没収を命じました。これを紫衣事件(しえじけん)といいます。
幕府の強硬な態度に対して朝廷や寺院は反発し、特に大徳寺(だいとくじ)の住職(じゅうしょく、寺の長である僧のこと)であった沢庵(たくあん)は激(はげ)しく幕府に抗議しましたが、2年後の1629年に出羽(でわ)へ流罪(るざい)となってしまいました。この事件によって「幕府の法度は天皇の勅許にも優先する」ことが嫌(いや)でも思い知らされることとなり、後水尾天皇も深く気分を害されました。
ちなみに沢庵は現在のダイコンを漬(つ)けた「沢庵漬け」との関わりが深いとされ、また吉川英治(よしかわえいじ)の小説「宮本武蔵(みやもとむさし)」での活躍ぶりが有名です。なお、大阪市営地下鉄の谷町線(たにまちせん)のラインカラーが紫色なのは、沿線(えんせん)に四天王寺(してんのうじ)などの寺院が多いので、僧侶にとって最高の栄誉である紫衣の色が由来になっています。




いつも有難うございます。
トラックバック(0) |
ぴーち こんばんは!
何も流罪に処するほどの重罪でも無かったようにも思いますが・・・見せしめと考えても余りに酷いですね。。
そういえば、冠位十二階でも一番位の高い色は紫でしたね!
昔から紫は高貴な色だったんですね^^
応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 何も流罪に処するほどの重罪でも無かったようにも思いますが・・・見せしめと考えても余りに酷いですね。。
そうですよね。
幕府の仕打ちは激しく抗議した沢庵和尚だけでなく、後水尾天皇に対する強烈な嫌味のような気がします。
> そういえば、冠位十二階でも一番位の高い色は紫でしたね!
> 昔から紫は高貴な色だったんですね^^
そのとおりですね。紫色には昔から独特の優雅さを感じます。
何も流罪に処するほどの重罪でも無かったようにも思いますが・・・見せしめと考えても余りに酷いですね。。
そういえば、冠位十二階でも一番位の高い色は紫でしたね!
昔から紫は高貴な色だったんですね^^
応援凸
そうですよね。
幕府の仕打ちは激しく抗議した沢庵和尚だけでなく、後水尾天皇に対する強烈な嫌味のような気がします。
> そういえば、冠位十二階でも一番位の高い色は紫でしたね!
> 昔から紫は高貴な色だったんですね^^
そのとおりですね。紫色には昔から独特の優雅さを感じます。