「阿南には阿南の考えがあったのだ。気の毒な事をした」。
事実、人望が厚かった阿南陸相の割腹自害は陸軍全体に大きな衝撃(しょうげき)を与え、若干(じゃっかん)の離反(りはん)はあったものの、その後の徹底抗戦への動きを封じることができました。阿南陸相は昭和天皇のご聖断を確かなものにするため、自ら命を絶つとともに、責任の重さから介錯を断って、最期を迎えるまで苦しみぬいたに違いありません。
陸軍の最高責任者として、戦争への責任などが何かと問題視される阿南陸相ですが、昭和天皇のご聖断を受けて陸軍全体をまとめ上げ、最後にはすべての責任を一人で取ったその潔(いさぎよ)い姿勢は、立派なものであったというべきでしょう。
また、陛下の侍従長として長く仕えたことで、昭和天皇とまさに阿吽(あうん)の呼吸でご聖断を導き出し、本土決戦による我が国滅亡の危機や、ソ連の参戦による北海道などの侵略をギリギリのタイミングで防ぎきった鈴木首相の政治力も素晴らしいものがありました。
国民のことのみを考え、自らを顧(かえり)みずに下された昭和天皇のご聖断の背景には、こうした「忠臣」による我が国への無私の行動もあったのです。




いつも有難うございます。
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晴雨堂ミカエル イッセー・オガタ氏が昭和天皇に扮した「太陽」はご覧になったことがありますか?
ぴーち こんばんは!
昨日に引き続き、割腹自害のお話ですね・・
武士の美学として一番見苦しくない自害の方法だと伝授されてきたこの死に様も、介錯があってこそ見苦しくない死に様だと美化され、完結されるものを、わざわざ介錯を断り、壮絶な死に様を世に示した阿南陸相の覚悟は相当なものだったことでしょう。
勿論、天皇のご聖断を決定付ける手段としての役割も果たせた事で無駄死にではなかったでしょうけれど、同時に割腹自害の悲惨で、見苦しい姿を見せてくれた事が、自殺を美化することがいかに間違いであるかという事実にも世間は気付いていただきたかったものですが。。
応援凸
黒田裕樹さん
風早 りら ソ連の参戦による北海道などの侵略をギリギリのタイミングで防ぎきった鈴木首相の政治力も素晴らしいものがありました。
私が常に 思っていることの一つがこのソ連の
参戦です もしここで このまま 戦争を
終わらしていなければ 日本は ドイツの
ように アメリカとソ連との支配下に置かれ
たのではと想定していることです
考えただけでも 恐ろしいことです
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 > イッセー・オガタ氏が昭和天皇に扮した「太陽」はご覧になったことがありますか?
他の方からもご質問がありましたが、残念ながら未見です。
海外からの陛下の評価は貴重ですから、ぜひ拝見したいと思っているのですが…。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 戦時中の話でしたから、阿南陸相の自害の件は一般に知られていなかった可能性もありますからね。
自害そのものは分かっていても、介錯を断ったことまではどうだったのでしょうか…。
いずれにせよ、相当な覚悟を決めての自害であり、だからこそ陸軍も矛を収めたのでしょうね。
風早りらさんへ
黒田裕樹 >> ソ連の参戦による北海道などの侵略をギリギリのタイミングで防ぎきった鈴木首相の政治力も素晴らしいものがありました。
> 私が常に 思っていることの一つがこのソ連の
> 参戦です もしここで このまま 戦争を
> 終わらしていなければ 日本は ドイツの
> ように アメリカとソ連との支配下に置かれ
> たのではと想定していることです
> 考えただけでも 恐ろしいことです
仰るとおり、このタイミングで終戦を迎えたことで、北方四島は奪われてしまったものの、北海道そのものは辛うじて守ることができました。
とはいえ、終戦後もソ連の侵攻は続き、千島列島の占守島(しゅむしゅとう)などで壮絶な戦いが続いているのですが、いずれは当講座でも紹介したいですね。
オバrev 強権による独裁・恐怖支配ではなく、下の者の意見をしっかり聞き、国民のための決断をくだされるという、信頼と人望があったからこそ、忠臣も生まれ、ここぞという時にそれぞれが無私の行動をとったのだと思います。
独立国家として平和な日本が現在あるのも、このような歴史があったからなんですね。
やはり被虐的歴史教育から、事実に基づいた歴史教育に転換する必要性を痛感します。それによって日本人が自信を取り戻し、結果として経済的効果もあると思います。
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 強権による独裁・恐怖支配ではなく、下の者の意見をしっかり聞き、国民のための決断をくだされるという、信頼と人望があったからこそ、忠臣も生まれ、ここぞという時にそれぞれが無私の行動をとったのだと思います。
> 独立国家として平和な日本が現在あるのも、このような歴史があったからなんですね。
> やはり被虐的歴史教育から、事実に基づいた歴史教育に転換する必要性を痛感します。それによって日本人が自信を取り戻し、結果として経済的効果もあると思います。
私もそう思います。
理念なき経済発展は、一時的な効果はあっても大きなツケとなって返ってきますからね。現代の我が国が不況から脱出できないのも、自民党や民主党に関係なく、現代の政治に問題があるからではないでしょうか。
65年前の陛下や政治家の覚悟を少しでも理解していれば、このようなことにはならないはずですが…。
mochimochi 日本のために戦い、独立を自分たちの命で守り抜いた方々に感謝を捧げたいと思います。
どうしてこういう人達のことを学ぶ機会が日本に無いのでしょうか?
私が無知なことを学校の先生の責任にするのは間違っていますが、余りにもおかしいと思います。
”日本はすごく悪い事をしたけど、アメリカの恩によって独立が許された”って今まで思っていました。
事実アメリカ人も間違った認識をしています。
話は変わりますが、天皇陛下の神格化について質問があります。
アメリカ人によりますと、日本の民衆は天皇陛下の事を不死身の神だと完璧に信じ込んでいたと言っています。
日本人の事を馬鹿にしてるように聞こえるのですが。
そもそも、日本には万物に神が存在するというようなアイデアがありますよね。日本の思想を知らないで天皇の神格化について述べるのは間違っていると思います。
でも、実際どうだったのですか?
mochimochiさんへ
黒田裕樹 日本人の奥ゆかしさ、悪く言えばお人よしは財産でもありますが、国内ならともかく、生き馬の目を抜く国際社会では、もっと自己主張すべきだと思います。
そうでないと、仰るように外国人にまで間違えて歴史認識を植え付けることになりますから、百害あって一利なしです。
天皇に対する神格化は明治維新以後の国策であったことは事実ですが、それ以前から神格化はともかく、国民が天皇に対する畏敬の念を持っていたことは間違いありません。そうでないと国策だからといって定着するわけがありませんからね。
我が国に限らず、外国のことを知る際にはもっと研究してほしいですね。まして我が国は2000年を誇る歴史を持っているのですから。
なおまゆ 阿南陸相の死は、大変残念でした。
しかし、壮絶な死に様は、報われたと信じたいです。切腹という自殺方法がどれ程の苦痛を伴うか想像を絶していますが、敢えてその方法をとった彼の心は、天皇陛下のご聖断に応えようとしたことに尽きると思います。
後世に生きる我々は、彼の想いを理解できる環境になかった。今にして、その想いの深さに気づいて遅きを悔やんでいます。
黒田さんのブログで一人でも多くの方が天皇陛下をはじめ、当時の政権担当者の覚悟と想いを知ってくれればと思います。有難うございます。
なおまゆさんへ
黒田裕樹 > 阿南陸相の死は、大変残念でした。
> しかし、壮絶な死に様は、報われたと信じたいです。切腹という自殺方法がどれ程の苦痛を伴うか想像を絶していますが、敢えてその方法をとった彼の心は、天皇陛下のご聖断に応えようとしたことに尽きると思います。
> 後世に生きる我々は、彼の想いを理解できる環境になかった。今にして、その想いの深さに気づいて遅きを悔やんでいます。
阿南陸相の壮絶な死は、結果として我が国を大きく動かしました。
仰るとおり、私たちは阿南陸相の深い思いをしっかり受け止めて、後世に伝えていきたいですね。
> 黒田さんのブログで一人でも多くの方が天皇陛下をはじめ、当時の政権担当者の覚悟と想いを知ってくれればと思います。有難うございます。
有難うございます。陛下のお話は2月の後篇に続きますので、そちらでも皆様にご紹介できればと思っております。
鈴木貫太郎
青田です。 黒田先生
こんばんは
青田です。
NHKのドラマ『坂の上の雲』を観ていて
その登場人物の中で、、鈴木貫太郎が日露戦争に
登場するのは、驚きました。
鈴木貫太郎は、日本海海戦の時、海軍で、巡洋艦の艦長で、日本の勝利に大きく、貢献したんですね。
そう考えると、鈴木貫太郎は
① 日露戦争(巨大なロシアとの戦い)
② 二二六事件で、暗殺されかける。
③ 大東亜戦争の終結の首相。
と日本の歴史の転換点に全て、関わっているのですね。
驚きました。
それにしても、凄い、生命力です。
青田さんへ
黒田裕樹 そうなんですよね。
昭和天皇を陰で支えた鈴木貫太郎が生死の境をくぐり抜けたことで、我が国が歴史の転換点を乗り越えることができたことを私たちは忘れてはいけないと思います。
光り輝く人間は、陰の支えあってこそなのですから。
もう、一人の英雄
青田です。 黒田先生
こんばんは
青田です。
このソ連参戦で、思いだした人物がいます。
それは、樋口季一郎です。
彼は、オトポール事件で、5000人のユダヤ人の命を助け、
北方領土の防衛の『占守島の戦い』の侵攻を食い止めました。
この『占守島の戦い』は、ポツダム宣言を受諾した後なのにソ連軍が一方的に進軍してきたのを
樋口季一郎の判断で、戦い、食い止めました。
もし、あの戦いがなければ、北海道は、さらに占領されていた気がします。
戦後、ソ連が樋口季一郎の身柄をマッカーサーに要求しましたが
マッカーサーは、断固拒否しました。
なぜ、これほどの人物がテレビ・映画にもならないのか、不思議で仕方ありません。
今月号の『歴史街道』で、取り上げれて、ほっとしました。(●^o^●)
青田さんへ その2
黒田裕樹 仰るとおり、大東亜戦争においては私たち日本人が強制的に忘れさせられた英雄がまだまだたくさん存在すると思いますね。
昨日に引き続き、割腹自害のお話ですね・・
武士の美学として一番見苦しくない自害の方法だと伝授されてきたこの死に様も、介錯があってこそ見苦しくない死に様だと美化され、完結されるものを、わざわざ介錯を断り、壮絶な死に様を世に示した阿南陸相の覚悟は相当なものだったことでしょう。
勿論、天皇のご聖断を決定付ける手段としての役割も果たせた事で無駄死にではなかったでしょうけれど、同時に割腹自害の悲惨で、見苦しい姿を見せてくれた事が、自殺を美化することがいかに間違いであるかという事実にも世間は気付いていただきたかったものですが。。
応援凸
私が常に 思っていることの一つがこのソ連の
参戦です もしここで このまま 戦争を
終わらしていなければ 日本は ドイツの
ように アメリカとソ連との支配下に置かれ
たのではと想定していることです
考えただけでも 恐ろしいことです
他の方からもご質問がありましたが、残念ながら未見です。
海外からの陛下の評価は貴重ですから、ぜひ拝見したいと思っているのですが…。
自害そのものは分かっていても、介錯を断ったことまではどうだったのでしょうか…。
いずれにせよ、相当な覚悟を決めての自害であり、だからこそ陸軍も矛を収めたのでしょうね。
> 私が常に 思っていることの一つがこのソ連の
> 参戦です もしここで このまま 戦争を
> 終わらしていなければ 日本は ドイツの
> ように アメリカとソ連との支配下に置かれ
> たのではと想定していることです
> 考えただけでも 恐ろしいことです
仰るとおり、このタイミングで終戦を迎えたことで、北方四島は奪われてしまったものの、北海道そのものは辛うじて守ることができました。
とはいえ、終戦後もソ連の侵攻は続き、千島列島の占守島(しゅむしゅとう)などで壮絶な戦いが続いているのですが、いずれは当講座でも紹介したいですね。
独立国家として平和な日本が現在あるのも、このような歴史があったからなんですね。
やはり被虐的歴史教育から、事実に基づいた歴史教育に転換する必要性を痛感します。それによって日本人が自信を取り戻し、結果として経済的効果もあると思います。
> 独立国家として平和な日本が現在あるのも、このような歴史があったからなんですね。
> やはり被虐的歴史教育から、事実に基づいた歴史教育に転換する必要性を痛感します。それによって日本人が自信を取り戻し、結果として経済的効果もあると思います。
私もそう思います。
理念なき経済発展は、一時的な効果はあっても大きなツケとなって返ってきますからね。現代の我が国が不況から脱出できないのも、自民党や民主党に関係なく、現代の政治に問題があるからではないでしょうか。
65年前の陛下や政治家の覚悟を少しでも理解していれば、このようなことにはならないはずですが…。
どうしてこういう人達のことを学ぶ機会が日本に無いのでしょうか?
私が無知なことを学校の先生の責任にするのは間違っていますが、余りにもおかしいと思います。
”日本はすごく悪い事をしたけど、アメリカの恩によって独立が許された”って今まで思っていました。
事実アメリカ人も間違った認識をしています。
話は変わりますが、天皇陛下の神格化について質問があります。
アメリカ人によりますと、日本の民衆は天皇陛下の事を不死身の神だと完璧に信じ込んでいたと言っています。
日本人の事を馬鹿にしてるように聞こえるのですが。
そもそも、日本には万物に神が存在するというようなアイデアがありますよね。日本の思想を知らないで天皇の神格化について述べるのは間違っていると思います。
でも、実際どうだったのですか?
そうでないと、仰るように外国人にまで間違えて歴史認識を植え付けることになりますから、百害あって一利なしです。
天皇に対する神格化は明治維新以後の国策であったことは事実ですが、それ以前から神格化はともかく、国民が天皇に対する畏敬の念を持っていたことは間違いありません。そうでないと国策だからといって定着するわけがありませんからね。
我が国に限らず、外国のことを知る際にはもっと研究してほしいですね。まして我が国は2000年を誇る歴史を持っているのですから。
しかし、壮絶な死に様は、報われたと信じたいです。切腹という自殺方法がどれ程の苦痛を伴うか想像を絶していますが、敢えてその方法をとった彼の心は、天皇陛下のご聖断に応えようとしたことに尽きると思います。
後世に生きる我々は、彼の想いを理解できる環境になかった。今にして、その想いの深さに気づいて遅きを悔やんでいます。
黒田さんのブログで一人でも多くの方が天皇陛下をはじめ、当時の政権担当者の覚悟と想いを知ってくれればと思います。有難うございます。
> しかし、壮絶な死に様は、報われたと信じたいです。切腹という自殺方法がどれ程の苦痛を伴うか想像を絶していますが、敢えてその方法をとった彼の心は、天皇陛下のご聖断に応えようとしたことに尽きると思います。
> 後世に生きる我々は、彼の想いを理解できる環境になかった。今にして、その想いの深さに気づいて遅きを悔やんでいます。
阿南陸相の壮絶な死は、結果として我が国を大きく動かしました。
仰るとおり、私たちは阿南陸相の深い思いをしっかり受け止めて、後世に伝えていきたいですね。
> 黒田さんのブログで一人でも多くの方が天皇陛下をはじめ、当時の政権担当者の覚悟と想いを知ってくれればと思います。有難うございます。
有難うございます。陛下のお話は2月の後篇に続きますので、そちらでも皆様にご紹介できればと思っております。
こんばんは
青田です。
NHKのドラマ『坂の上の雲』を観ていて
その登場人物の中で、、鈴木貫太郎が日露戦争に
登場するのは、驚きました。
鈴木貫太郎は、日本海海戦の時、海軍で、巡洋艦の艦長で、日本の勝利に大きく、貢献したんですね。
そう考えると、鈴木貫太郎は
① 日露戦争(巨大なロシアとの戦い)
② 二二六事件で、暗殺されかける。
③ 大東亜戦争の終結の首相。
と日本の歴史の転換点に全て、関わっているのですね。
驚きました。
それにしても、凄い、生命力です。
昭和天皇を陰で支えた鈴木貫太郎が生死の境をくぐり抜けたことで、我が国が歴史の転換点を乗り越えることができたことを私たちは忘れてはいけないと思います。
光り輝く人間は、陰の支えあってこそなのですから。
こんばんは
青田です。
このソ連参戦で、思いだした人物がいます。
それは、樋口季一郎です。
彼は、オトポール事件で、5000人のユダヤ人の命を助け、
北方領土の防衛の『占守島の戦い』の侵攻を食い止めました。
この『占守島の戦い』は、ポツダム宣言を受諾した後なのにソ連軍が一方的に進軍してきたのを
樋口季一郎の判断で、戦い、食い止めました。
もし、あの戦いがなければ、北海道は、さらに占領されていた気がします。
戦後、ソ連が樋口季一郎の身柄をマッカーサーに要求しましたが
マッカーサーは、断固拒否しました。
なぜ、これほどの人物がテレビ・映画にもならないのか、不思議で仕方ありません。
今月号の『歴史街道』で、取り上げれて、ほっとしました。(●^o^●)