ポルトガル船がカトリックの布教を認めた大名領にした入港しなかったこともあって、各地の戦国大名の多くは南蛮貿易による権益の欲しさから宣教師の布教活動を保護するばかりでなく、中には自らが洗礼を受けてキリシタン大名となるものも現れました。
キリシタン大名のうち、九州の大友宗麟や大村純忠(おおむらすみただ)、有馬晴信(ありまはるのぶ)らは、イタリア人宣教師のヴァリニャーニの勧めによって1582年に少年使節をローマ教皇のもとに派遣しました。これを当時の年号から天正遣欧使節(てんしょうけんおうしせつ)といいます。
カトリックによる教えは、ヨーロッパの進んだ文化にあこがれたり、あるいは既存の仏教を中心とした宗教勢力が権益を求めて争い合う姿勢に不満を持ったりした人々の間で急速に広まっていきましたが、その一方でキリシタン大名の大村純忠が、信仰心のあまり自領の長崎をイエズス会に寄進するという前代未聞(ぜんだいみもん)の行為も見られ、カトリックに潜(ひそ)む我が国侵略の野望は、水面下で確実に広がっていきました。
※次回(10月26日)からは第19回歴史講座の内容の更新を開始します。




いつも有難うございます。
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風早 りら 大村純忠が信仰心のあまり自領の長崎をイエズス会に寄進するという話は知りませんでした
それで長崎はその後 どうなったのですか
明日 お答え待っています
気になります
ぴーち こんばんは!
宗教は麻薬だなどと例えられますが、
麻薬以上の怖さも宗教には孕んでいる場合も多いと思います。
仰るとおり、特にカトリック系に関しては
日本人の西洋に憧れる要素が多分にあるものと思われます。
応援凸
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 大村純忠が信仰心のあまり自領の長崎をイエズス会に寄進するという話は知りませんでした
> それで長崎はその後 どうなったのですか
> 明日 お答え待っています
> 気になります
残念ながら明日からは23日の歴史講座の更新となりますので、以前に行った第11回の講座の中でりらさんの答えになりそうな記事を参考とさせていただきます。
a href="http://rocky96.blog10.fc2.com/blog-entry-439.html" target="_blank">http://rocky96.blog10.fc2.com/blog-entry-439.html
明日からもよろしくお願いします。
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 宗教は麻薬だなどと例えられますが、
> 麻薬以上の怖さも宗教には孕んでいる場合も多いと思います。
> 仰るとおり、特にカトリック系に関しては
> 日本人の西洋に憧れる要素が多分にあるものと思われます。
今回の場合は宗教の中に大きな野望が潜んでいましたからなおさらですよね。
単なる憧れだけでは、世の中はうまくは渡っていけないのかもしれません。
関東の誠 「キリスト教伝来と隠された真実」が終わってしまうのですか?。もっと教えて頂きたかったです。非常にアバウトな分類ですが、古くからある自然崇拝の多神に対する信仰と旧約聖書以降の唯一神教との間に被征服者と征服者の関係があるように思い、その中で八百万神の日本が被征服者にならなかったことに非常に興味深さを感じていましたので、またの機会を楽しみにしております。
関東の誠さんへ
黒田裕樹 > 「キリスト教伝来と隠された真実」が終わってしまうのですか?。もっと教えて頂きたかったです。非常にアバウトな分類ですが、古くからある自然崇拝の多神に対する信仰と旧約聖書以降の唯一神教との間に被征服者と征服者の関係があるように思い、その中で八百万神の日本が被征服者にならなかったことに非常に興味深さを感じていましたので、またの機会を楽しみにしております。
キリスト教についてはもちろんこれからも講座で紹介していくことになりますが、時代が若干変わることになりますので(戦国→安土桃山)、日を改めて更新させていただきます。ご容赦下さい。
ちなみに、八百万の神様が被征服者にならなかったことにはそれなりの理由があると私は見ております。
mochimochi 大名が利益のために改宗したというのは、ほぼ正しいと思います。
ただ、全ての大名がそうであったとは思いません。
その辺少し繊細なことですので、”大勢の大名が~”としてほしかったです。
それと、私にとってキリスト教と茶道とは切っても切れないことなのです。というのは、ある情報では、これらの二つはお互い深いつながりがあると言ってるからです。実際、千利休の奥さんはクリスチャンであったとのことです。
ただ、この情報の信憑性はあまりないですが。。。
このシリーズ楽しみにしています。
ちなみに ”八百万の神様が被征服者にならなかったことにはそれなりの理由があると私は見ております。”
とても興味があるので良かったら教えてください。
mochimochiさんへ
黒田裕樹 > 大名が利益のために改宗したというのは、ほぼ正しいと思います。
> ただ、全ての大名がそうであったとは思いません。
> その辺少し繊細なことですので、”大勢の大名が~”としてほしかったです。
なるほど、確かに一理ありますね。仰ることも考慮して内容を若干変更させていただきます。
> それと、私にとってキリスト教と茶道とは切っても切れないことなのです。というのは、ある情報では、これらの二つはお互い深いつながりがあると言ってるからです。実際、千利休の奥さんはクリスチャンであったとのことです。
> ただ、この情報の信憑性はあまりないですが。。。
うっすらとですが耳にしたことがありますね。
千利休も謎に包まれた人物です。
> このシリーズ楽しみにしています。
> ちなみに ”八百万の神様が被征服者にならなかったことにはそれなりの理由があると私は見ております。”
> とても興味があるので良かったら教えてください。
有難うございます。ごく簡単に説明させていただきます。
我が国はもともと八百万の神様が同時に存在する多神教であり、他の宗教が入ってきても、我が国にふさわしい形に変化する傾向にあります。例えば、成り立ちからして全く異なる仏教も「神仏習合」によって古来の神道と一緒にされてしまっていますよね。
キリスト教の場合、当初は侵略の手段に利用されたのと、誰であっても身分に差がないという考えが封建社会にそぐわなかったことで江戸幕府から迫害を受け続けました。明治時代になってようやく公認されましたが、その後も信者数は伸び悩み、我が国全体で1%程度しかいないとされています。
本来であれば公認された時点でもっと信者数が増えるはずなのですが、一神教のキリスト教が我が国の多神教の考えに及ばず、また仏教のように変化することができなかったからではないかと私は見ております。
もっとも、キリスト教の中にも「キリストの幕屋」のように我が国の風土に合わせようとする教団も存在していることを申し添えます。
mochimochi 丁寧な返答ありがとうございます。
実は今カトリック教会でも変化が起こっているらしいです。(これから数十年かけて)
男性の神に加えて、女性の神も認めはじめたのです。
なぜこういうこと起こっているか私自身はっきり知りませんが、本家本元に戻ろうとする試みだと思います。キリスト教以前は両方いたらしいですからね。
もしキリスト教が男性と女性の神になっても、日本にキリスト教が広まるとは思いませんけどね。
狭い内容ですみませんでした。
貴重なお時間を取って返信していただいきありがとうございます。
mochimochiさんへ
黒田裕樹 こちらこそ、私が存じ上げない貴重な情報を有難うございます。
我が国において外国の宗教が一般化するには、多神教を認めるように変化させるしかないのではと思っております。
今後のカトリックの進展については私も注目してみたいですね。
ETCマンツーマン英会話 ヨーロッパ人のネイティブ・アメリカンに対する布教の歴史を知るにつれ、では日本ではどうだったのだろうかと気になっていました。大村純忠のことをを詳しくしりたいと思いました。
ETCマンツーマン英会話さんへ
黒田裕樹 お言葉有難うございます。
我が国の場合は天皇がおわしましたから、他国と違ってまだキリシタンの勢力が強くはなかったとは思われますが、それでも今回の講座に書いたように様々な問題が起きていますね。
大村純忠は善意のつもりだったのでしょうが、結局は売国奴になっています。宗教の恐ろしさですね。ただ、彼は秀吉が天下を統一する前に亡くなっており、子の大村喜前が日蓮宗に転宗したこともあって、大村氏そのものは明治時代まで残っています。
それで長崎はその後 どうなったのですか
明日 お答え待っています
気になります
宗教は麻薬だなどと例えられますが、
麻薬以上の怖さも宗教には孕んでいる場合も多いと思います。
仰るとおり、特にカトリック系に関しては
日本人の西洋に憧れる要素が多分にあるものと思われます。
応援凸
> それで長崎はその後 どうなったのですか
> 明日 お答え待っています
> 気になります
残念ながら明日からは23日の歴史講座の更新となりますので、以前に行った第11回の講座の中でりらさんの答えになりそうな記事を参考とさせていただきます。
a href="http://rocky96.blog10.fc2.com/blog-entry-439.html" target="_blank">http://rocky96.blog10.fc2.com/blog-entry-439.html
明日からもよろしくお願いします。
> 麻薬以上の怖さも宗教には孕んでいる場合も多いと思います。
> 仰るとおり、特にカトリック系に関しては
> 日本人の西洋に憧れる要素が多分にあるものと思われます。
今回の場合は宗教の中に大きな野望が潜んでいましたからなおさらですよね。
単なる憧れだけでは、世の中はうまくは渡っていけないのかもしれません。
キリスト教についてはもちろんこれからも講座で紹介していくことになりますが、時代が若干変わることになりますので(戦国→安土桃山)、日を改めて更新させていただきます。ご容赦下さい。
ちなみに、八百万の神様が被征服者にならなかったことにはそれなりの理由があると私は見ております。
ただ、全ての大名がそうであったとは思いません。
その辺少し繊細なことですので、”大勢の大名が~”としてほしかったです。
それと、私にとってキリスト教と茶道とは切っても切れないことなのです。というのは、ある情報では、これらの二つはお互い深いつながりがあると言ってるからです。実際、千利休の奥さんはクリスチャンであったとのことです。
ただ、この情報の信憑性はあまりないですが。。。
このシリーズ楽しみにしています。
ちなみに ”八百万の神様が被征服者にならなかったことにはそれなりの理由があると私は見ております。”
とても興味があるので良かったら教えてください。
> ただ、全ての大名がそうであったとは思いません。
> その辺少し繊細なことですので、”大勢の大名が~”としてほしかったです。
なるほど、確かに一理ありますね。仰ることも考慮して内容を若干変更させていただきます。
> それと、私にとってキリスト教と茶道とは切っても切れないことなのです。というのは、ある情報では、これらの二つはお互い深いつながりがあると言ってるからです。実際、千利休の奥さんはクリスチャンであったとのことです。
> ただ、この情報の信憑性はあまりないですが。。。
うっすらとですが耳にしたことがありますね。
千利休も謎に包まれた人物です。
> このシリーズ楽しみにしています。
> ちなみに ”八百万の神様が被征服者にならなかったことにはそれなりの理由があると私は見ております。”
> とても興味があるので良かったら教えてください。
有難うございます。ごく簡単に説明させていただきます。
我が国はもともと八百万の神様が同時に存在する多神教であり、他の宗教が入ってきても、我が国にふさわしい形に変化する傾向にあります。例えば、成り立ちからして全く異なる仏教も「神仏習合」によって古来の神道と一緒にされてしまっていますよね。
キリスト教の場合、当初は侵略の手段に利用されたのと、誰であっても身分に差がないという考えが封建社会にそぐわなかったことで江戸幕府から迫害を受け続けました。明治時代になってようやく公認されましたが、その後も信者数は伸び悩み、我が国全体で1%程度しかいないとされています。
本来であれば公認された時点でもっと信者数が増えるはずなのですが、一神教のキリスト教が我が国の多神教の考えに及ばず、また仏教のように変化することができなかったからではないかと私は見ております。
もっとも、キリスト教の中にも「キリストの幕屋」のように我が国の風土に合わせようとする教団も存在していることを申し添えます。
実は今カトリック教会でも変化が起こっているらしいです。(これから数十年かけて)
男性の神に加えて、女性の神も認めはじめたのです。
なぜこういうこと起こっているか私自身はっきり知りませんが、本家本元に戻ろうとする試みだと思います。キリスト教以前は両方いたらしいですからね。
もしキリスト教が男性と女性の神になっても、日本にキリスト教が広まるとは思いませんけどね。
狭い内容ですみませんでした。
貴重なお時間を取って返信していただいきありがとうございます。
我が国において外国の宗教が一般化するには、多神教を認めるように変化させるしかないのではと思っております。
今後のカトリックの進展については私も注目してみたいですね。
我が国の場合は天皇がおわしましたから、他国と違ってまだキリシタンの勢力が強くはなかったとは思われますが、それでも今回の講座に書いたように様々な問題が起きていますね。
大村純忠は善意のつもりだったのでしょうが、結局は売国奴になっています。宗教の恐ろしさですね。ただ、彼は秀吉が天下を統一する前に亡くなっており、子の大村喜前が日蓮宗に転宗したこともあって、大村氏そのものは明治時代まで残っています。