確かに日朝修好条規には朝鮮に在留(ざいりゅう)する日本人に対する我が国側の領事裁判権(りょうじさいばんけん)が認められていましたが、これは江戸時代からの慣習をそのまま成文化(せいぶんか)したものですし、また関税自主権(かんぜいじしゅけん)については日朝両国がお互(たが)いに関税をかけないという取り決めをしているところが他の不平等条約とは異なっています。
それよりも重要なのは、日朝修好条規の第1条で「朝鮮は自主独立の国であり、日本と平等な権利を有する」と書かれていることです。これは我が国が朝鮮を独立国と認めたことを意味しており、当時の世界諸国が朝鮮を「清国の属国」としか見ていなかったことからすれば、非常に画期的(かっきてき)なことでした。
日朝修好条規は、裏を返せば朝鮮が初めて自国で結んだ国際条約であり、この条約が結ばれたことで、欧米諸国も次々と朝鮮と条約を結びました。その内容は我が国が欧米諸国と結んだのと同様に不平等でしたが、欧米諸国が朝鮮を一つの国として認めていることも意味していたのです。




いつも有難うございます。
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風早 りら 「日朝修好条規は、裏を返せば朝鮮が初めて自国で結んだ国際条約であり、この条約が結ばれたことで、欧米諸国も次々と朝鮮と条約を結びました。その内容は我が国が欧米諸国と結んだのと同様に不平等でしたが、欧米諸国が朝鮮を一つの国として認めていることも意味していたのです」
現在の中学の教科書には
このような事は記載されているのですか
知らない人が多いと思いますが
サクラ 私の中学校では、欧米諸国がやった不平等条約を、列強に仲間入りした気分で繰り返した――としか教えてませんでしたよ。
冊封体制とかも無視です。
しかし、そもそも日本が朝鮮を独立国として認めた――これが日本の目的だったんでしょうね。
ただ「責任が自分にある」ということは、当時の朝鮮として負荷でしかなかったのでしょうが。
次々と欧米列強が不平等条約を押し付けてきたのですから。
しかしそこで日本のように踏み出せるかが問題だったのだと思います。
独立する事の重要性――これに気づくのは後々ですが。
それにしても、安重根や金九は、(ただ日本の支配を嫌っただけで)早くのうちから独立する事の重要性に気づけた人なんでしょうか?
それとも、単なる反日(と、反清?)主義の持ち主だったんでしょうか?
もし前者だったら、こういう人たちを諭して自律国家にできていたらなあ――とか思うのですが。
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 現在の中学の教科書には
> このような事は記載されているのですか
> 知らない人が多いと思いますが
残念ながら皆無に近いといっていいかもしれません。
いかに教科書の記載が一方的であるかという間接的な証拠になっていると思います。
サクラさんへ
黒田裕樹 > 私の中学校では、欧米諸国がやった不平等条約を、列強に仲間入りした気分で繰り返した――としか教えてませんでしたよ。
> 冊封体制とかも無視です。
> しかし、そもそも日本が朝鮮を独立国として認めた――これが日本の目的だったんでしょうね。
そのとおりです。我が国の本当の目的を無視して、見た目の不平等条約ばかりを強調しているんですから話になりません。
> ただ「責任が自分にある」ということは、当時の朝鮮として負荷でしかなかったのでしょうが。
> 次々と欧米列強が不平等条約を押し付けてきたのですから。
> しかしそこで日本のように踏み出せるかが問題だったのだと思います。
> 独立する事の重要性――これに気づくのは後々ですが。
独立するというのは大変なことですからね。
そこまでの覚悟があったのかどうか、その後の歴史を見なければ何ともいえませんが…。
> それにしても、安重根や金九は、(ただ日本の支配を嫌っただけで)早くのうちから独立する事の重要性に気づけた人なんでしょうか?
> それとも、単なる反日(と、反清?)主義の持ち主だったんでしょうか?
> もし前者だったら、こういう人たちを諭して自律国家にできていたらなあ――とか思うのですが。
近日中に紹介しますが、朝鮮には金玉均という人物もいましたからね。彼らとうまく連携できていれば歴史は大きく変わっていたことでしょう。しかし現実にはそうはならなかった。ということは…。
ぴーち こんばんは!
日本が朝鮮に対して仕掛けた第1条の様な印象は、その当時世界各国から「属国」とレッテルを貼られていた朝鮮からすれば、とても新鮮な言葉であり、初めて対等な立場と認めてくれ、理解してくれたありがたい存在として、写った事でしょうね。
先日の「手練手管」のお話ではありませんが、腹黒いこと(笑)を言わせていただくと、そういう相手の心理を上手く付くことが出来た日本の作戦勝ちとも言えるのでしょうね。
それでは、応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > 日本が朝鮮に対して仕掛けた第1条の様な印象は、その当時世界各国から「属国」とレッテルを貼られていた朝鮮からすれば、とても新鮮な言葉であり、初めて対等な立場と認めてくれ、理解してくれたありがたい存在として、写った事でしょうね。
「朝鮮は中国の属国ではなく独立国である」。格下と思っていたとはいえ、我が国から認められた際の朝鮮の気持ちはどのようなものだったのでしょうね。当初はぴーちさんの仰るとおりだったと思うのですが…。
> 先日の「手練手管」のお話ではありませんが、腹黒いこと(笑)を言わせていただくと、そういう相手の心理を上手く付くことが出来た日本の作戦勝ちとも言えるのでしょうね。
国同士の外交問題では「腹の探り合い」が常道ですからね。生かすも殺すのその国次第でもあります。
こんばんは
しきしま 日朝修好条規については、私は全く理解が足りませんでした。この講座で”目から鱗”です。
2006年版の「新しい歴史教科書」でさえ、日本が朝鮮に圧力をかけて、朝鮮にとって不平等な条約が結ばれた、的な記述でした(但し、コラム欄で日朝修好条規の第一条には触れています)。
これは、日朝修好条規に対して理解が深まっていないのか、或いは、いわゆる近隣諸国に配慮した”書かせる検定”なのかもしれませんね。
また次が楽しみになってきました。
しきしまさんへ
黒田裕樹 > 日朝修好条規については、私は全く理解が足りませんでした。この講座で”目から鱗”です。
> 2006年版の「新しい歴史教科書」でさえ、日本が朝鮮に圧力をかけて、朝鮮にとって不平等な条約が結ばれた、的な記述でした(但し、コラム欄で日朝修好条規の第一条には触れています)。
> これは、日朝修好条規に対して理解が深まっていないのか、或いは、いわゆる近隣諸国に配慮した”書かせる検定”なのかもしれませんね。
> また次が楽しみになってきました。
有難うございます。
確かにつくる会の教科書でもそんな記載になっていますね。仰るとおり「近隣諸国条項」が幅を利かせているのでしょうか…。
今後もご期待いただければ幸いです。
現在の中学の教科書には
このような事は記載されているのですか
知らない人が多いと思いますが
冊封体制とかも無視です。
しかし、そもそも日本が朝鮮を独立国として認めた――これが日本の目的だったんでしょうね。
ただ「責任が自分にある」ということは、当時の朝鮮として負荷でしかなかったのでしょうが。
次々と欧米列強が不平等条約を押し付けてきたのですから。
しかしそこで日本のように踏み出せるかが問題だったのだと思います。
独立する事の重要性――これに気づくのは後々ですが。
それにしても、安重根や金九は、(ただ日本の支配を嫌っただけで)早くのうちから独立する事の重要性に気づけた人なんでしょうか?
それとも、単なる反日(と、反清?)主義の持ち主だったんでしょうか?
もし前者だったら、こういう人たちを諭して自律国家にできていたらなあ――とか思うのですが。
> このような事は記載されているのですか
> 知らない人が多いと思いますが
残念ながら皆無に近いといっていいかもしれません。
いかに教科書の記載が一方的であるかという間接的な証拠になっていると思います。
> 冊封体制とかも無視です。
> しかし、そもそも日本が朝鮮を独立国として認めた――これが日本の目的だったんでしょうね。
そのとおりです。我が国の本当の目的を無視して、見た目の不平等条約ばかりを強調しているんですから話になりません。
> ただ「責任が自分にある」ということは、当時の朝鮮として負荷でしかなかったのでしょうが。
> 次々と欧米列強が不平等条約を押し付けてきたのですから。
> しかしそこで日本のように踏み出せるかが問題だったのだと思います。
> 独立する事の重要性――これに気づくのは後々ですが。
独立するというのは大変なことですからね。
そこまでの覚悟があったのかどうか、その後の歴史を見なければ何ともいえませんが…。
> それにしても、安重根や金九は、(ただ日本の支配を嫌っただけで)早くのうちから独立する事の重要性に気づけた人なんでしょうか?
> それとも、単なる反日(と、反清?)主義の持ち主だったんでしょうか?
> もし前者だったら、こういう人たちを諭して自律国家にできていたらなあ――とか思うのですが。
近日中に紹介しますが、朝鮮には金玉均という人物もいましたからね。彼らとうまく連携できていれば歴史は大きく変わっていたことでしょう。しかし現実にはそうはならなかった。ということは…。
日本が朝鮮に対して仕掛けた第1条の様な印象は、その当時世界各国から「属国」とレッテルを貼られていた朝鮮からすれば、とても新鮮な言葉であり、初めて対等な立場と認めてくれ、理解してくれたありがたい存在として、写った事でしょうね。
先日の「手練手管」のお話ではありませんが、腹黒いこと(笑)を言わせていただくと、そういう相手の心理を上手く付くことが出来た日本の作戦勝ちとも言えるのでしょうね。
それでは、応援凸
「朝鮮は中国の属国ではなく独立国である」。格下と思っていたとはいえ、我が国から認められた際の朝鮮の気持ちはどのようなものだったのでしょうね。当初はぴーちさんの仰るとおりだったと思うのですが…。
> 先日の「手練手管」のお話ではありませんが、腹黒いこと(笑)を言わせていただくと、そういう相手の心理を上手く付くことが出来た日本の作戦勝ちとも言えるのでしょうね。
国同士の外交問題では「腹の探り合い」が常道ですからね。生かすも殺すのその国次第でもあります。
2006年版の「新しい歴史教科書」でさえ、日本が朝鮮に圧力をかけて、朝鮮にとって不平等な条約が結ばれた、的な記述でした(但し、コラム欄で日朝修好条規の第一条には触れています)。
これは、日朝修好条規に対して理解が深まっていないのか、或いは、いわゆる近隣諸国に配慮した”書かせる検定”なのかもしれませんね。
また次が楽しみになってきました。
> 2006年版の「新しい歴史教科書」でさえ、日本が朝鮮に圧力をかけて、朝鮮にとって不平等な条約が結ばれた、的な記述でした(但し、コラム欄で日朝修好条規の第一条には触れています)。
> これは、日朝修好条規に対して理解が深まっていないのか、或いは、いわゆる近隣諸国に配慮した”書かせる検定”なのかもしれませんね。
> また次が楽しみになってきました。
有難うございます。
確かにつくる会の教科書でもそんな記載になっていますね。仰るとおり「近隣諸国条項」が幅を利かせているのでしょうか…。
今後もご期待いただければ幸いです。