もちろん、我が国にそんな意図(いと)はありません。明治新政府となり、我が国が天皇中心の新たな中央集権国家に生まれ変わったという意味で、形式的に「皇」や「勅」の字を使用したに過ぎなかったのです。我が国は朝鮮に対して理解を求め、新たに「皇」や「勅」の字を使用しない外交文書を送るなど懸命の努力を重ねましたが、態度を硬化(こうか)させた朝鮮は首を縦(たて)に振りませんでした。
我が国と朝鮮とが国交断絶の状態となった一方で、朝鮮を属国としていた清国と我が国との間では、明治4(1871)年に対等な条件の日清修好条規(にっちょうしゅうこうじょうき)が締結されていました。宗主国(そうしゅこく)である清国が我が国と国交を結んでいるのに対して、属国である朝鮮が国交を結んでいないということは、裏(うら)を返せば「朝鮮は明治政府を承認していない」という意思表示でもありました。
このような朝鮮の排他的(はいたてき)な外交態度に対して、明治政府の内部から「我が国が武力を行使してでも開国させるべきだ」という意見が自然と発生しました。いわゆる征韓論(せいかんろん)の始まりだったのですが、その背景には「朝鮮との外交問題を早く解決しないと、いつロシアが南下(なんか)して朝鮮半島を占領するか分からない。もしそうなれば我が国にとって死活問題になる」という焦(あせ)りもありました。




いつも有難うございます。
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晴雨堂ミカエル 左翼護憲市民の認識は、欧米列強が日本に対してやったことと同じ事を日本が中国朝鮮にやった、と信じて疑いません。
また、欧米列強の世界侵略が常態となっている時代に国境線がロシアと接しようとしている事態は極めて危険で、できるだけ戦線を本国から遠くに設定しようとするのは当時の国策として限られた選択肢の中の一つ、なんて言えば吊し上げです。
ところで、興味深い事に家康秀忠親子の思いきった軍縮、動員兵力と鉄砲保有数は世界トップクラスの軍事力に惜し気もなく大鉈ふるい、朝鮮との国交回復に尽力した事は、左翼護憲市民は高く評価しなければならないのに、殆んど無視されています。
しかし朝鮮学校の歴史教育には家康の平和外交は紹介されています。
まっ、これは利害関係からいって至極当然。自分達にとって利益になる、味方になる存在を記憶するのは当たり前です。
また、金大中は当時の朝鮮の閉鎖的外交を批判し、日本の幕末明治維新を高く評価しています。
つまり、何が言いたいのかというと、左翼護憲市民の歴史感は自虐以前に、「日本」の否定なのです。
朝鮮学校にしろ、韓国の政治家にしろ、日本を批難しながらも利害関係に基づいた冷静な分析を忘れていません。ところが護憲市民は感覚としてバランスを失っているのです。
サクラ あ、なるほど。
みことのりが問題だったんですね――今気づきました。
小学校の頃は江華島事件などのことを聞いて、「ひどいなー」なんて思っていたんですが、当時の事を考えてみれば仕方ありませんよね。
地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつつ秋風を聴く
紗那 んー、征韓論!懐かしい響きですw
しかし、この征韓論が登場してくる過程が、教科書ではあまりに強引にこじつけられてる気がして、なっとくできなかったのですが、やっとその疑問も氷解しました!
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 なるほど、仰るとおり是は是、非は非ということで、かの国々の方がバランスが取れているといいうわけですね。
そんな無茶な論理が通用する世の中とは思えないのですが…それが通用するのでしょうね、彼らには。
サクラさんへ
黒田裕樹 > あ、なるほど。
> みことのりが問題だったんですね――今気づきました。
そういうことです。属国の立場としては、言葉一つにでも神経を使わなければいけなかったんでしょうね。
> 小学校の頃は江華島事件などのことを聞いて、「ひどいなー」なんて思っていたんですが、当時の事を考えてみれば仕方ありませんよね。
江華島事件は明日(6日)の更新で登場しますが、今回の背景を思い起こせばその通りになるでしょうね。
> 地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつつ秋風を聴く
な、なんと大胆な一句ですね…(^^ゞ
紗那さんへ
黒田裕樹 > んー、征韓論!懐かしい響きですw
> しかし、この征韓論が登場してくる過程が、教科書ではあまりに強引にこじつけられてる気がして、なっとくできなかったのですが、やっとその疑問も氷解しました!
そういえば征韓論の背景についてはほとんど紹介していませんよね。
いきなり攻め込むわけがないのですから、今回のような理由があったことを紹介しても差し支えがないと思うのですが…ひょっとして遠慮?
ぴーち こんばんは!
慎重に相手国の状況や文化、言葉の違い、歴史などを
調査せずに、性急に取り掛かろうとした結果が命取りとなってしまったんでしょうね。
そういえば、昔アメリカに留学していた学生の
家に強盗が入り、相手の要求どおり、手を挙げて
抵抗しないそぶりをしたにも関わらず、殺害されてしまった事件がありましたが、なまじ英語が達者であった為に余計な一言を発してしまった事での惨事だった様ですが、言葉を知っていても、その正しい使い方を誤れば、自分の意図した事とはまるで違う結果になってしまうという恐ろしい例でした。
そして、やはり何事も焦りは禁物なんですね^^;
凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 仰るとおり、国際関係の構築には、相手の国の風習の理解が必要な場合がありますよね。
焦りは禁物ですが、相手国の意図を早く察してくれる必要もあると思います。話せば分かることだってあるんですから…って、こういう発想は日本人ならではですよね(^^ゞ
黒田裕樹先生
風早りら 今回のこの講座は 一日も
かかせません
学校の教科書では全く
教えてもらっていない事だと思います
いつも 日本が 悪者にばかりされています
このように 韓国でも
教えて欲しいです
風早りらさんへ
黒田裕樹 > 今回のこの講座は 一日も
> かかせません
> 学校の教科書では全く
> 教えてもらっていない事だと思います
> いつも 日本が 悪者にばかりされています
> このように 韓国でも
> 教えて欲しいです
お言葉有難うございます。
教科書にはそれらしい記載はあるものの、詳しく解説しないことには意味が分からないでしょう。
一方的な価値観からではなく、公平な目で教えないと全体像が見えてきませんからね。
こんばんは
yasu いつも先生の記事を楽しみに拝見させていただいています。
学校の授業では「日韓併合」「征韓論」とか、あっさりと流されてたので、隣国との問題なのにあまり深く考えてませんでした。分かりやすく解説いただき、正しい歴史を考えるいい機会をいただけました。続きの記事を楽しみにしております。
yasuさんへ
黒田裕樹 > いつも先生の記事を楽しみに拝見させていただいています。
> 学校の授業では「日韓併合」「征韓論」とか、あっさりと流されてたので、隣国との問題なのにあまり深く考えてませんでした。分かりやすく解説いただき、正しい歴史を考えるいい機会をいただけました。続きの記事を楽しみにしております。
こちらこそ、いつもご訪問下さって有難うございます。
yasuさんのご期待に応えられますよう、今後も史実に沿った分かりやすい内容の更新を心掛けますので、よろしくお願いいたします。
智里 なるほどね~(。・ω・)(。-ω-)ウンウン
なんで大国ロシアがあるのに、朝鮮は日本と手を組まなかった分かりましたよ。
この辺の話は、教科書ではまったく教えてくれなかったし、先生方も深く勉強してた人しか知らないんじゃないでしょうか?
これから色々な事件が起きていくんですね。
いつも勉強になりますが、今回のは知らないことばかりですよ!!
智里さんへ
黒田裕樹 > なるほどね~(。・ω・)(。-ω-)ウンウン
> なんで大国ロシアがあるのに、朝鮮は日本と手を組まなかった分かりましたよ。
> この辺の話は、教科書ではまったく教えてくれなかったし、先生方も深く勉強してた人しか知らないんじゃないでしょうか?
> これから色々な事件が起きていくんですね。
> いつも勉強になりますが、今回のは知らないことばかりですよ!!
智里さんの仰るとおり、我が国と朝鮮が初めから手を組んでいれば大国ロシアであろうと十分対応できたはずだったのですが、長らく中国の属国であったという歴史的経緯や不幸な行き違いがその道を阻んでしまったんですね。
失敗も歴史のうちですが、その後の展開はどうなるのか?
今後もご期待下さい!(^^♪
また、欧米列強の世界侵略が常態となっている時代に国境線がロシアと接しようとしている事態は極めて危険で、できるだけ戦線を本国から遠くに設定しようとするのは当時の国策として限られた選択肢の中の一つ、なんて言えば吊し上げです。
ところで、興味深い事に家康秀忠親子の思いきった軍縮、動員兵力と鉄砲保有数は世界トップクラスの軍事力に惜し気もなく大鉈ふるい、朝鮮との国交回復に尽力した事は、左翼護憲市民は高く評価しなければならないのに、殆んど無視されています。
しかし朝鮮学校の歴史教育には家康の平和外交は紹介されています。
まっ、これは利害関係からいって至極当然。自分達にとって利益になる、味方になる存在を記憶するのは当たり前です。
また、金大中は当時の朝鮮の閉鎖的外交を批判し、日本の幕末明治維新を高く評価しています。
つまり、何が言いたいのかというと、左翼護憲市民の歴史感は自虐以前に、「日本」の否定なのです。
朝鮮学校にしろ、韓国の政治家にしろ、日本を批難しながらも利害関係に基づいた冷静な分析を忘れていません。ところが護憲市民は感覚としてバランスを失っているのです。
みことのりが問題だったんですね――今気づきました。
小学校の頃は江華島事件などのことを聞いて、「ひどいなー」なんて思っていたんですが、当時の事を考えてみれば仕方ありませんよね。
地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつつ秋風を聴く
しかし、この征韓論が登場してくる過程が、教科書ではあまりに強引にこじつけられてる気がして、なっとくできなかったのですが、やっとその疑問も氷解しました!
そんな無茶な論理が通用する世の中とは思えないのですが…それが通用するのでしょうね、彼らには。
> みことのりが問題だったんですね――今気づきました。
そういうことです。属国の立場としては、言葉一つにでも神経を使わなければいけなかったんでしょうね。
> 小学校の頃は江華島事件などのことを聞いて、「ひどいなー」なんて思っていたんですが、当時の事を考えてみれば仕方ありませんよね。
江華島事件は明日(6日)の更新で登場しますが、今回の背景を思い起こせばその通りになるでしょうね。
> 地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつつ秋風を聴く
な、なんと大胆な一句ですね…(^^ゞ
> しかし、この征韓論が登場してくる過程が、教科書ではあまりに強引にこじつけられてる気がして、なっとくできなかったのですが、やっとその疑問も氷解しました!
そういえば征韓論の背景についてはほとんど紹介していませんよね。
いきなり攻め込むわけがないのですから、今回のような理由があったことを紹介しても差し支えがないと思うのですが…ひょっとして遠慮?
慎重に相手国の状況や文化、言葉の違い、歴史などを
調査せずに、性急に取り掛かろうとした結果が命取りとなってしまったんでしょうね。
そういえば、昔アメリカに留学していた学生の
家に強盗が入り、相手の要求どおり、手を挙げて
抵抗しないそぶりをしたにも関わらず、殺害されてしまった事件がありましたが、なまじ英語が達者であった為に余計な一言を発してしまった事での惨事だった様ですが、言葉を知っていても、その正しい使い方を誤れば、自分の意図した事とはまるで違う結果になってしまうという恐ろしい例でした。
そして、やはり何事も焦りは禁物なんですね^^;
凸
焦りは禁物ですが、相手国の意図を早く察してくれる必要もあると思います。話せば分かることだってあるんですから…って、こういう発想は日本人ならではですよね(^^ゞ
かかせません
学校の教科書では全く
教えてもらっていない事だと思います
いつも 日本が 悪者にばかりされています
このように 韓国でも
教えて欲しいです
> かかせません
> 学校の教科書では全く
> 教えてもらっていない事だと思います
> いつも 日本が 悪者にばかりされています
> このように 韓国でも
> 教えて欲しいです
お言葉有難うございます。
教科書にはそれらしい記載はあるものの、詳しく解説しないことには意味が分からないでしょう。
一方的な価値観からではなく、公平な目で教えないと全体像が見えてきませんからね。
学校の授業では「日韓併合」「征韓論」とか、あっさりと流されてたので、隣国との問題なのにあまり深く考えてませんでした。分かりやすく解説いただき、正しい歴史を考えるいい機会をいただけました。続きの記事を楽しみにしております。
> 学校の授業では「日韓併合」「征韓論」とか、あっさりと流されてたので、隣国との問題なのにあまり深く考えてませんでした。分かりやすく解説いただき、正しい歴史を考えるいい機会をいただけました。続きの記事を楽しみにしております。
こちらこそ、いつもご訪問下さって有難うございます。
yasuさんのご期待に応えられますよう、今後も史実に沿った分かりやすい内容の更新を心掛けますので、よろしくお願いいたします。
なんで大国ロシアがあるのに、朝鮮は日本と手を組まなかった分かりましたよ。
この辺の話は、教科書ではまったく教えてくれなかったし、先生方も深く勉強してた人しか知らないんじゃないでしょうか?
これから色々な事件が起きていくんですね。
いつも勉強になりますが、今回のは知らないことばかりですよ!!
> なんで大国ロシアがあるのに、朝鮮は日本と手を組まなかった分かりましたよ。
> この辺の話は、教科書ではまったく教えてくれなかったし、先生方も深く勉強してた人しか知らないんじゃないでしょうか?
> これから色々な事件が起きていくんですね。
> いつも勉強になりますが、今回のは知らないことばかりですよ!!
智里さんの仰るとおり、我が国と朝鮮が初めから手を組んでいれば大国ロシアであろうと十分対応できたはずだったのですが、長らく中国の属国であったという歴史的経緯や不幸な行き違いがその道を阻んでしまったんですね。
失敗も歴史のうちですが、その後の展開はどうなるのか?
今後もご期待下さい!(^^♪