さらに、町奉行が事件の当事者として判決を下(くだ)すということ自体が、本来は有り得ないのです。お白州で裁きを言い渡すということは、今でいう裁判官による判決の申し渡しにあたりますが、現代の法律では、刑事裁判で裁判官に予断(よだん、結果を前もって判断すること)を与えないために起訴状(きそじょう、検察官=けんさつかんが刑事裁判の請求をする際に裁判所に提出する文書のこと)のみを提出し、それ以外の証拠(しょうこ)を出してはならないことになっており、これを「起訴状一本主義」(きそじょういっぽんしゅぎ)といいます。
これは、裁判官が事件について先入観(せんにゅうかん)を持たずに事件を審理(しんり)することで、中立公正な判断を行うことを意図(いと)して定められたものです(刑事訴訟法第256条6項)。
一方、金さんはドラマの世界で捜査(そうさ)や訴追(そつい、刑事裁判を行うよう訴えを起こすこと)だけでなく、裁判の全てを行っていることになりますが、これでは被告人(ひこくにん)が有罪であるという先入観を持ってしまうことになるので、公平な判断など望めるはずがないのです。
そうなると不思議なのは、遠山景元という実在の人物に、どうしてこのような「架空の物語」が創(つく)り出されたのか、ということですね。これには、史実における遠山景元が北町奉行として活躍していた当時の時代背景が深く関わっているのです。




いつも有難うございます。
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紗那 確かにすごい忙しそうだ!
これでは、街を見まわるのが無理だというのも納得できます。。。
警察官が、そのまま有罪無罪を決めるようなものですよね、それは確かに誤っている。。。。
紗那さんへ
黒田裕樹 > 確かにすごい忙しそうだ!
> これでは、街を見まわるのが無理だというのも納得できます。。。
そうなんですよ。在任中に過労死するのも無理はありません。
> 警察官が、そのまま有罪無罪を決めるようなものですよね、それは確かに誤っている。。。。
確かにおかしいんです。
でも、そのおかしいのが成立している「物語」の理由について、これから考察してみますね。
.
天然中尉 すごいですね。ソレほどにまで遠山の金さんが愛されているとは。驚きの連続です。
起訴状一本主義…大学の講義で習いましたが、断然、黒田殿の講義のがわかりやすいですwww
天然中尉さんへ
黒田裕樹 > すごいですね。ソレほどにまで遠山の金さんが愛されているとは。驚きの連続です。
金さんの物語も全くのでっち上げではなく、それなりの理由があるというわけです。今後の記事の中で次第に明らかになりますよ。
> 起訴状一本主義…大学の講義で習いましたが、断然、黒田殿の講義のがわかりやすいですwww
有難うございます(^^♪
このあたりは法学部出身の面目躍如といったところでしょうか(笑)。
これでは、街を見まわるのが無理だというのも納得できます。。。
警察官が、そのまま有罪無罪を決めるようなものですよね、それは確かに誤っている。。。。
> これでは、街を見まわるのが無理だというのも納得できます。。。
そうなんですよ。在任中に過労死するのも無理はありません。
> 警察官が、そのまま有罪無罪を決めるようなものですよね、それは確かに誤っている。。。。
確かにおかしいんです。
でも、そのおかしいのが成立している「物語」の理由について、これから考察してみますね。
起訴状一本主義…大学の講義で習いましたが、断然、黒田殿の講義のがわかりやすいですwww
金さんの物語も全くのでっち上げではなく、それなりの理由があるというわけです。今後の記事の中で次第に明らかになりますよ。
> 起訴状一本主義…大学の講義で習いましたが、断然、黒田殿の講義のがわかりやすいですwww
有難うございます(^^♪
このあたりは法学部出身の面目躍如といったところでしょうか(笑)。