オーストリアの経済学者シュンペーターは「馬車を何台つなげても汽車にはならない」と述べ、経済発展の原動力は、それまでの方法を破壊して新しい方法を創造していく「創造的破壊」の上で成り立つと説きました。
生産性の劇的な向上にはイノベーションが必須ですが、いくつかの既存の事柄の組み合わせを変えて、生産性の少しずつの向上を目指すことは、イノベーション無しでも、自由競争下でいくらでも「改良」によって起こし得ます。
無論、現在の課題はどうなのかはまた別に考えるべきことだというのは言うまでもありませんが、少なくとも計画経済に慣れてしまうと、旧態依然の生産にこだわり、新しい発想を嫌う傾向があります。
この流れは、世界一の軍事国家であるがゆえに極端な制限貿易を行い得たにもかかわらず、長年の平和ボケによって鎖国の状態を守ることが「祖法(そほう、先祖の代から守るべきしきたりのこと)」であると錯覚し、西洋から大きく取り残されて強制的に開国せざるを得なかった、幕末の頃の我が国と同じであるといえるでしょう。
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