しかし、その大地主が没落したことで、地方における富裕層がいなくなるとともに、担(にな)い手を失った地方の文化が絶滅の危機に瀕(ひん)してしまったのです。実際には不徹底で終わったものの、GHQが財閥を解体して我が国の経済力を大幅に削減しようと考えたように、大地主の没落はそのまま地方の凋落(ちょうらく)につながり、都市部との格差がますます拡大するようになりました。
さらには、大規模な農地経営が世界的に主流になる一方で、我が国では大地主が強制的に排除されたことから先進的農業の中核の役割を果たす農家が育たず、結果として我が国の農業が国際競争力を低下させている現状にもつながっているのです。
ひとつの事象に関してプラスの面をことさら強調するだけではなく、様々な面から歴史的事実を眺(なが)めて、そのマイナス面も見極めたうえで我が国の今後に生かそうとする。農地改革について調べれば調べるほど、歴史の大きな流れをつかむことの重要性が実感できるのではないでしょうか。
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