拓殖大学客員教授を務めた藤岡信勝(ふじおかのぶかつ)氏は、平成29(2017)年2月23日付の産経新聞の「正論」欄において、今回の学習指導要領の改訂案における聖徳太子の表記について「国民として決して看過できない問題」であると指摘したほか「日本史上重要な人物で、日本国家自立の精神的よりどころとなった聖徳太子の名を歴史教育から抹殺しようとしている」と厳しく批判しました。
今回の改定案では、小学校では「聖徳太子(厩戸王)」と、中学校では「厩戸王(聖徳太子)」と表記するとされていますが、藤岡氏は「小学校ではこの表記の前後を入れ替えて『聖徳太子(厩戸王)』と教えることにするという。学校段階に応じて『厩戸王』という呼称に順次慣れさせることで『聖徳太子』の呼称をフェイドアウトさせる。周到な『聖徳太子抹殺計画』といえるだろう」と述べています。
そして、今回のような改定案が発表された背景には「今から20年近く前に、日本史学界の一部で唱えられた『聖徳太子虚構説』と呼ばれる学説」があると指摘し、この説の根拠が乏(とぼ)しいにもかかわらず「文科省は、この珍説が歴史学界の通説であるととらえてしまったようだ」と断じています。
さらに、藤岡氏は「この説は日本国家を否定する反日左翼の運動に利用されているのであり、その触手(しょくしゅ)が中央教育行政にまで及んだ結果である」「聖徳太子の抹殺は日本国家を精神的に解体させる重大な一歩である」と指摘しており、今回の改定案に警鐘(けいしょう)を鳴らしました。
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