冠位十二階は、朝廷に仕える人々に対する新しい身分秩序でした。まずは階級として「徳(とく)」・「仁(にん)」・「礼(らい)」・「信(しん)」・「義(ぎ)」・「智(ち)」という6つを定め、さらに大と小とに分割することで12段階の区別をつけました。また、それぞれの階級で冠(かんむり)の色を以下のとおりに分けました。
「大徳(だいとく、濃い紫)」・「小徳(しょうとく、薄い紫)」・「大仁(だいにん、濃い青)」・「小仁(しょうにん、薄い青)」・「大礼(だいらい、濃い赤)」・「小礼(しょうらい、薄い赤)」・「大信(だいしん、濃い黄)」・「小信(しょうしん、薄い黄)」・「大義(だいぎ、濃い白)」・「小義(しょうぎ・薄い白)」・「大智(だいち、濃い黒)」・「小智(しょうち、薄い黒)」
冠位十二階は、それまでの氏姓(しせい)制度による世襲制ではなく、個人の才能や実績によっては昇進も可能になるという画期的な身分制度であった一方で、蘇我氏は冠位の例外とされていました。おそらくは、蘇我氏が従来どおりの「大臣(おおおみ)」として、冠位をもらう側よりも授ける立場にあったからと考えられています。さすがの聖徳太子も、蘇我氏の立場にまで一気に踏み込んで改革することはできなかったのでした。
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