義視からすれば、一度約束された将軍後継の地位を反故(ほご)にされてはたまったものではありませんし、義尚の母の富子からすれば、自分がお腹を痛めて産んだ我が子が将軍後継になれないことほど愚(おろ)かな話はありません。しかし、優柔不断(ゆうじゅうふだん、ぐずぐずして物事の決断のにぶいこと)な義政には、どちらを後継にするかを決めることが出来ませんでした。
義政がいつまで経っても後継を決めないことに業(ごう)を煮やした義視と富子は、義視が管領の細川勝元(ほそかわかつもと)に、富子が四職(ししき)筆頭の山名宗全(やまなそうぜん・※注)にそれぞれ接近すると、細川・山名の両氏が幕府の政治の実権を握ろうとして争い始めました。
この他にも守護大名の畠山氏や斯波氏(しばし)の家督(かとく)争いがからんで、1467年についに京都で大きな戦いが始まってしまいました。戦国時代(せんごくじだい)の幕開けともいわれる、人世空(ひと・よ・む・な)しい応仁の乱(おうにんのらん)の始まりです。
(※注:山名宗全は出家後の名前であり、それ以前は山名持豊(やまなもちとよ)と名乗っていました。)
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)




いつも有難うございます。
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晴雨堂ミカエル 義教暗殺から応仁の乱までの時代を舞台にした大河ドラマがあります。
「花の乱」で、当時若手の狂言師野村萬斎氏が若き管領細川右京大夫勝元、萬屋錦之助氏が山名宗全、将軍義政は市川海老蔵の父親、そして日野富子の少女時代を松たか子氏が演じています。
萬屋錦之助の美しい殺陣が久しぶりに見れ、萬斎の怪演、十代の松たか子の初々しさなど、なかなか貴重映像です。
ところで、武家として位人身を極めた義満には毒殺説があるようですね。
そして四代目は、何故か義満の覇権主義を嫌い、金閣寺を残して他の豪華な屋敷を壊したり、自身も大納言以上の官位を望まなかったり。
幕府の権威権力を自ら縮小させる事をやったのは、何故だと思いますか?
義教は近年評価が上向きですね。籤引き将軍なので、無能扱いでしたが。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 そういえば「花の乱」がありましたね。
今から16年前だったでしょうか。
義満の毒殺説は、天皇の地位を後もう少しで義満の息子の義嗣に奪われそうになったので、それを未然に防ぐためだったのではないかという考えからきているようです。
そして、義満や義嗣と仲が悪かった義持は、義満のすべてを否定するために金閣以外を破却して、義満の「太上天皇」の追贈も拒否し、莫大な利益となる日明貿易も辞めて、それゆえに幕府の権威や権力も縮小してしまった、という説を聞いたことがあります。
義教の再評価については、歴史の真実を探るためには良いことだと思います。
.
ぴーち こんばんは!
あ、ここで「応仁の乱」が登場するんですね(^^A
この乱の前後の経緯が今まで全く頭にありませんでしたが、黒田さんの記事を読ませていただき、初めて理解出来た気がします。いつもながら、無駄の無い理路整然とした文章、さすがですね!!
それにしても、優柔不断からこんな大事になるとは、やはり上に立つものは包括的な判断能力が必要不可欠ですね^^;
それでは、明日の講座、頑張ってくださいね^^
応援しています♪
こちらへも応援凸
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > あ、ここで「応仁の乱」が登場するんですね(^^A
> この乱の前後の経緯が今まで全く頭にありませんでしたが、黒田さんの記事を読ませていただき、初めて理解出来た気がします。いつもながら、無駄の無い理路整然とした文章、さすがですね!!
有難うございます(^^♪
物事には必ず原因がありますからね。いつものことですが、それが理解できなければただの暗記ですから。
> それにしても、優柔不断からこんな大事になるとは、やはり上に立つものは包括的な判断能力が必要不可欠
尊氏もそうでしたし、義政も…。かと思えば義満や義教みたいな怪物(?)もいますし、足利氏には極端な人物が多いですね(笑)。
> それでは、明日の講座、頑張ってくださいね^^
> 応援しています♪
> こちらへも応援凸
頑張ってきますよ!(^o^)丿
.
オバrev 将軍職への意欲もなく決断もできないなんて、義政は将軍たる器ではなかったんだろうと思います。
それだけで済めばいいけど、そのことがもたらした罪はあまりに大きすぎましたね。
実は同じように、球団トップが球団を強くしようという気もなく、大胆に戦力を補強するという決断もできないという悲劇のチームを知っています(>_<)
黒田先生.
りら 日野富子
興味あります
映画やドラマに度々 登場
大抵 悪女に扱われています
実際はどうだったのか 楽しみです
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 将軍職への意欲もなく決断もできないなんて、義政は将軍たる器ではなかったんだろうと思います。
就任当初(といっても成長してからですが)はやる気があったみたいですが、途中からまったく無気力になったようです。だったらさっさと将軍の座から去ればよかったのですが…。
> それだけで済めばいいけど、そのことがもたらした罪はあまりに大きすぎましたね。
室町幕府の権力はすでに有名無実化していましたが、白日の下にさらけ出したのは義政ですからね。
どう考えても責任逃れは出来ないでしょう。
> 実は同じように、球団トップが球団を強くしようという気もなく、大胆に戦力を補強するという決断もできないという悲劇のチームを知っています(>_<)
私も知ってますよ(´・ω・`)
真っ赤な情熱はどこへ行ってしまったんでしょうか…・゚・(ノД`)・゚・。
りらさんへ
黒田裕樹 > 日野富子
> 興味あります
> 映画やドラマに度々 登場
> 大抵 悪女に扱われています
> 実際はどうだったのか 楽しみです
「日野富子=悪女=守銭奴」というイメージがありますからね。
今回の講座で詳しくは紹介しませんが、彼女の蓄財力が義政の「文化」を支えていた側面もありますから、一概に「悪女」とは決め付けがたいとは思います。
「花の乱」で、当時若手の狂言師野村萬斎氏が若き管領細川右京大夫勝元、萬屋錦之助氏が山名宗全、将軍義政は市川海老蔵の父親、そして日野富子の少女時代を松たか子氏が演じています。
萬屋錦之助の美しい殺陣が久しぶりに見れ、萬斎の怪演、十代の松たか子の初々しさなど、なかなか貴重映像です。
ところで、武家として位人身を極めた義満には毒殺説があるようですね。
そして四代目は、何故か義満の覇権主義を嫌い、金閣寺を残して他の豪華な屋敷を壊したり、自身も大納言以上の官位を望まなかったり。
幕府の権威権力を自ら縮小させる事をやったのは、何故だと思いますか?
義教は近年評価が上向きですね。籤引き将軍なので、無能扱いでしたが。
今から16年前だったでしょうか。
義満の毒殺説は、天皇の地位を後もう少しで義満の息子の義嗣に奪われそうになったので、それを未然に防ぐためだったのではないかという考えからきているようです。
そして、義満や義嗣と仲が悪かった義持は、義満のすべてを否定するために金閣以外を破却して、義満の「太上天皇」の追贈も拒否し、莫大な利益となる日明貿易も辞めて、それゆえに幕府の権威や権力も縮小してしまった、という説を聞いたことがあります。
義教の再評価については、歴史の真実を探るためには良いことだと思います。
あ、ここで「応仁の乱」が登場するんですね(^^A
この乱の前後の経緯が今まで全く頭にありませんでしたが、黒田さんの記事を読ませていただき、初めて理解出来た気がします。いつもながら、無駄の無い理路整然とした文章、さすがですね!!
それにしても、優柔不断からこんな大事になるとは、やはり上に立つものは包括的な判断能力が必要不可欠ですね^^;
それでは、明日の講座、頑張ってくださいね^^
応援しています♪
こちらへも応援凸
> この乱の前後の経緯が今まで全く頭にありませんでしたが、黒田さんの記事を読ませていただき、初めて理解出来た気がします。いつもながら、無駄の無い理路整然とした文章、さすがですね!!
有難うございます(^^♪
物事には必ず原因がありますからね。いつものことですが、それが理解できなければただの暗記ですから。
> それにしても、優柔不断からこんな大事になるとは、やはり上に立つものは包括的な判断能力が必要不可欠
尊氏もそうでしたし、義政も…。かと思えば義満や義教みたいな怪物(?)もいますし、足利氏には極端な人物が多いですね(笑)。
> それでは、明日の講座、頑張ってくださいね^^
> 応援しています♪
> こちらへも応援凸
頑張ってきますよ!(^o^)丿
それだけで済めばいいけど、そのことがもたらした罪はあまりに大きすぎましたね。
実は同じように、球団トップが球団を強くしようという気もなく、大胆に戦力を補強するという決断もできないという悲劇のチームを知っています(>_<)
興味あります
映画やドラマに度々 登場
大抵 悪女に扱われています
実際はどうだったのか 楽しみです
就任当初(といっても成長してからですが)はやる気があったみたいですが、途中からまったく無気力になったようです。だったらさっさと将軍の座から去ればよかったのですが…。
> それだけで済めばいいけど、そのことがもたらした罪はあまりに大きすぎましたね。
室町幕府の権力はすでに有名無実化していましたが、白日の下にさらけ出したのは義政ですからね。
どう考えても責任逃れは出来ないでしょう。
> 実は同じように、球団トップが球団を強くしようという気もなく、大胆に戦力を補強するという決断もできないという悲劇のチームを知っています(>_<)
私も知ってますよ(´・ω・`)
真っ赤な情熱はどこへ行ってしまったんでしょうか…・゚・(ノД`)・゚・。
> 興味あります
> 映画やドラマに度々 登場
> 大抵 悪女に扱われています
> 実際はどうだったのか 楽しみです
「日野富子=悪女=守銭奴」というイメージがありますからね。
今回の講座で詳しくは紹介しませんが、彼女の蓄財力が義政の「文化」を支えていた側面もありますから、一概に「悪女」とは決め付けがたいとは思います。