楽市・楽座によって商売の自由が認められた信長の支配地では、多くの人口を頼りに各地の商人がこぞって集まり、大変な賑(にぎ)わいを見せました。その結果、信長の領内は他の大名や宗教勢力などのそれに比べて、低い税率であっても自然と収入が増加していったのです。
しかし、信長によるこれらの斬新な政策は、それまでの関所や座による莫大な収入を「権益」として頼りにしていた宗教勢力などにとっては、目障りな商売敵(がたき)でしかありませんでした。一方の信長からしてみれば、宗教勢力は本来の布教活動の精神を忘れ、庶民(しょみん)の迷惑を顧(かえり)みずに、自分たちの都合だけで権益にしがみついているようにしか見えなかったのです。
自己の武力を背景に勢力を拡大した信長は、やがて宗教勢力に対して、権益の放棄と武装解除を、信長軍による防衛を条件に迫りましたが、それこそ「眠っていても儲(もう)かる」権益を宗教勢力がそう簡単に手放すはずがありませんでした。
信長と宗教勢力との衝突は時間の問題だったのであり、信長にとって最悪のタイミングで起きてしまったのです。
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