また、宋からもたらされた木版(もくはん)に文章や絵を彫(ほ)って版をつくる木版技術によって禅の経典や漢詩文集などが印刷され、これらは「五山版(ござんばん)」として広まりました。
この他、五山の禅僧である明兆(みんちょう)や如拙(じょせつ)、周文(しゅうぶん)らによって墨の濃淡(のうたん)で自然や人物を表現し、簡潔で力強い筆致(ひっち、筆づかいのこと)によって禅の精神を具体化した「水墨画(すいぼくが)」が広く伝えられました。
北山文化の頃の代表的な水墨画としては、ぬめった皮膚(ひふ)のナマズを滑(なめ)らかなヒョウタンでいかに押さえるか、という現実には不可能に近い「ヒョウタンナマズ」の禅問答のテーマを如拙が描いた「瓢鮎図(ひょうねんず)」が有名です。
ちなみに、禅問答すなわち公案(こうあん)問答を繰り返しながら悟りを開くのが臨済宗の大きな特色でしたね。こんなところにも歴史の流れがつながっているのです。
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