後醍醐(ごだいご)天皇の信任が厚かった南朝の公卿(くぎょう)の北畠親房(きたばたけちかふさ)は、伊勢神道(いせしんとう)の理論を背景として、南朝の立場から我が国の長い歴史を通じて皇位が継承されてきたことを説いた「神皇正統記(じんのうしょうとうき)」を著し、後世に大きな影響を与えました。
この他の歴史書としては、源平以後の争乱の歴史を公家の立場からまとめた「増鏡(ますかがみ)」や、南北朝の動乱を北朝側たる足利氏の立場から記した「梅松論(ばいしょうろん)」などがあります。また、軍記物語として代表的なものに後醍醐天皇の治世からの半世紀を力強く描いた「太平記(たいへいき)」が挙げられますが、これは後に台本として講釈された「太平記読み」という手段で広く人々に普及し、後世まで語り継がれました。
なお、増鏡は「大鏡(おおかがみ)」「今鏡(いまかがみ)」「水鏡(みずかがみ)」とともに、いわゆる「大今水増(だいこんみずまし)」の「四鏡(しきょう)」として日本史のみならず古典の学習でも重要ですね。
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