また大敗を喫したと思い込んでしまったことが、それからの情報収集をおろそかにさせたのか、機械化部隊に壊滅的打撃を与えたソ連軍のその後の動きを我が国は察知できなかったのです。
ノモンハン事件はソ連の攻撃中止によって停戦となりましたが、その理由は機械化部隊が壊滅状態となったことに、スターリンが対日侵攻を一時は断念するほど大きなショックを受けていたからだったのに対し、我が国では後述する「ドイツのポーランド侵攻によるヨーロッパ情勢の変化」と見なしていました。
つまり、当時の我が国は、少なくとも互角以上に戦ったノモンハン事件を「一方的に負けた」と誤解していたのです。そしてこのような「間違った思い込み」が、共産主義の大国であるとともに、我が国にとって軍事的かつ思想的な脅威であったソ連に「大敗」したという「心の重荷」と化したことで、その後の我が国の戦略に大きな影を落とすことになってしまいました。
※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」をご紹介します。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※「黒田裕樹の歴史講座+日本史道場+東京歴史塾」のご案内です。他の教師とは全く異なる、歴史全体の大きな流れを重視した「分かりやすくて楽しい歴史」をモットーに多くの方にお教えいたします。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。


いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。