ではなぜ蒋介石はわざわざ事変を起こしたのでしょうか。その理由として考えられるのは、第二次上海事変を通じて「日本が中華民国を侵略している」というイメージを作り出し、チャイナに対する国際世論の同情を集めようとしたのではないかということです。
だからこそ蒋介石は、一般市民が逃げられないように道路をすべて封鎖したうえで、民間人がいる可能性が高いホテルなどを中心に爆撃を加えたのみならず、欧米人の犠牲者をわざと出すことで、列強の目をチャイナに向けさせようとしたともされており、事変を拡大させた蒋介石の責任は重大であると言わざるを得ません。
なお、こうした国民政府による一方的な虐殺や事変が相次(あいつ)いだことによって、日本政府は自国民を中心とする生命や財産などを守るために、中華民国に対する不拡大方針を放棄せざるを得ず、この後日本軍はチャイナの軍隊に引きずられるかのように戦線を中国大陸の全土に拡げ、果てしない戦いを続けることになってしまうのです。
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