絵画では、平安時代末期に始まった絵巻物(えまきもの)が引き続き盛んにつくられ、人物の一代記を描いた「一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん)」や、合戦における戦いぶりを描いた「蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)」、「平治物語絵巻(へいじものがたりえまき)」などの作品が生まれました。
また、個人の肖像(しょうぞう)を写実的に描いた似絵(にせえ)もつくられ、藤原隆信(ふじわらのたかのぶ)・信実(のぶざね)父子による名作が生まれました。この他、高僧の肖像画である頂相(ちんぞう、または「ちんそう」)も鎌倉時代の中頃から始まりました。
宋や元の書風が伝えられた書道では、伏見(ふしみ)天皇の皇子であった尊円法(そんえんほう)親王によって平安時代以来の世尊寺流(せそんじりゅう)を基本とした「青蓮院流(しょうれんいんりゅう)」が新たに創始されました。
工芸面においては、武家政権の影響を受けて武器や武具の製作技術が進歩したことで、刀剣では備前(びぜん、現在の岡山県南東部)の長船長光(おさふねながみつ)や京都の粟田口吉光(あわたぐちよしみつ)、鎌倉の岡崎正宗(おかざきまさむね)らが名作を残しました。
また、宋の青磁(せいじ)や白磁(はくじ)が輸入されたことで、尾張(おわり、現在の愛知県西部)の瀬戸焼(せとやき)や常滑焼(とこなめやき)、備前の備前焼といった陶器(とうき)の生産も盛んとなりました。
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