学問や文芸の世界でも新しい動きが始まりました。和歌の世界では、西行(さいぎょう)が出家後に諸国を渡り歩くなかで「山家集(さんかしゅう)」をまとめたり、後鳥羽上皇の勅撰(ちょくせん、天皇や上皇の命令で歌集などを編集すること)によって「新古今(しんこきん)和歌集」が、藤原定家(ふじわらのさだいえ、もしくは「ていか」)や藤原家隆(ふじわらのいえたか)らによって編集されたりしました。
新古今和歌集は、平安時代までの伝統を受け継ぎながらも技巧的な表現や洗練された歌風が広く受けいれられ、武士の間にも広まりました。鎌倉幕府3代将軍の源実朝もその一人で、万葉調の歌を集めた「金槐(きんかい)和歌集」を残しました。なお「金」は鎌倉の「鎌」の偏(へん)を、「槐」は大臣の別称を表しています。
また藤原定家は、発表から約200年が経過して写本によって内容が異なっていた紫式部(むらさきしきぶ)の「源氏物語」を校訂(こうてい、古書などの本文を諸本と比べ合わせて正すこと)したほか、彼がまとめた写本は後世の人間に配慮して新たなフォントを開発し、文字の連綿(れんめん)を廃して読みやすくするという工夫もしています。
現代の私たちが源氏物語を気軽に読むことができるのは、定家の功績であると言っても差し支(つか)えないでしょう。
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