「阿弥陀仏様はとてつもなく偉大なお方であり、善人と悪人の違いや仏の道への信心の有無に関わらず、私たちはすべて極楽往生ができる」と考えた一遍は、全国を行脚(あんぎゃ)しながら念仏札を配ったり、踊念仏(おどりねんぶつ)によって信者たちと集団で念仏を唱えたりしながら教えを広めました。
踊念仏には、人間にとって捨てきれない煩悩(ぼんのう)をひたすら踊ることで燃え尽くすほどに発散させようとする狙(ねら)いと、極楽往生できることがすでに決まっていることに対する喜びや感謝の気持ちを表現するという意味が込められているとされています。
全国を遊行(ゆぎょう、僧が布教や修行のために各地を巡り歩くこと)して布教を広めたことで一遍は「遊行上人(しょうにん)」とも称され、また彼に従った人々は「時衆(じしゅう)」と呼ばれました。一遍は死の直前に自己の所有していた経典などをすべて焼き捨てましたが、彼の弟子たちによってまとめられた「一遍上人語録(いっぺんしょうにんごろく)」が江戸時代に刊行されています。
一遍の教えは「時宗(じしゅう)」と呼ばれ、主に地方の武士や農民の支持を受けました。時宗の総本山は神奈川県藤沢市の清浄光寺(しょうじょうこうじ)です。
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