しかし、幕府によって一度痛い目にあっている借上たちは、余程(よほど)のことがない限り今までどおりにお金を貸してはくれません。永仁の徳政令は、結果として御家人たちの経済活動をかえって阻害(そがい)するという結果をもたらしてしまったのです。
なお、御家人の窮乏化(きゅうぼうか)の原因に分割相続があったことで、鎌倉時代の後期までには惣領が所領のすべてを相続するという「単独相続」が一般的になり、庶子は惣領によって扶養(ふよう、養ってもらうこと)されるようになりました。
また、畿内やその周辺を中心として、武力に訴えて年貢の納入を拒否するなど、荘園領主や幕府に対抗する武士団が多く見られるようになりました。彼らは「悪党(あくとう)」と呼ばれ、その勢力はやがて各地に拡大して、得宗専制政治を強化した幕府を次第に悩ませるようになりました。
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