その後の満州国ですが、昭和20(1945)年に我が国が終戦を迎えるまでの十数年間で飛躍的な発展を遂(と)げました。しかし、我が国の敗戦とともに満州国の歴史は闇に葬(ほうむ)られ、現在においてすでに満州語は絶滅し、満州族は地球上から滅亡の危機にさらされているという厳しい現実があります。
政争に明け暮れて国益を見失った政党政治や、国民の生活の現状よりも世界に向けたアピールを優先した金解禁がもたらした昭和恐慌(きょうこう)、世界中でブロック経済が進む中で取り残されそうになる資源のない国・日本、協調の名のもとに相手になめられ続けるだけだった幣原外相による弱腰外交、さらには統帥権干犯を盾にした軍部の独走…。
これらの複雑な背景が重なり合うことによって満州事変から満州国建国の流れが生まれ、やがて我が国は国際社会の信頼を失うとともに未曽有(みぞう)の混乱を迎えることになってしまうのですが、それらは少なくとも「侵略戦争」という言葉だけで片付けられるような単純な問題ではないことは明らかなのです。
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