度重なる恐慌で銀行の休業や倒産が相次いだことや、政府が弱小銀行や不良銀行の整理に着手したことによって、いわゆる大銀行に多くの預金が集中することになりました。三井・三菱・安田・住友・第一のいわゆる五大銀行への預金は昭和4(1929)年には全体の35%にまで達しています。
これらの大銀行は財閥との結びつきが強く、金融恐慌でも大きな打撃を受けなかった財閥は経済界において大きな地位を占めることとなり、やがて独占資本を形成するようになりました。
なお、不況時における弱小銀行の整理や大銀行への統合は他の分野における企業の集中をもたらし、日本の紡績業が第一次世界大戦後にチャイナの紡績工場を次々と建設するなど(これらは「在華紡(ざいかぼう)」と呼ばれました)、産業資本の輸出も促進されるようになりました。
※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」をご紹介します。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※「黒田裕樹の歴史講座+日本史道場+東京歴史塾」のご案内です。他の教師とは全く異なる、歴史全体の大きな流れを重視した「分かりやすくて楽しい歴史」をモットーに多くの方にお教えいたします。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。


いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。