しかし、彼が発布した「生類憐(しょうるいあわれ)みの令」が当時の日本人の精神を根本から改め、以前の「日本人独自の道徳や思いやりの精神」を取り戻したのです。
生類憐みの令といっても、そういう名前の法令が出されたわけではなく、貞享(じょうきょう)2(1685)年に「鳥類を銃で撃ってはならない」というお触(ふ)れが出されて以来、約20年の間に少しずつ増えてゆき、最終的に135個の法令が出されたものを総称して名付けられたものです。また、その内容も多岐に渡っており、犬に関するものは33件と全体の約4分の1に過ぎません。
数多くの法令の中には「鳥類などを口にしてはいけない」という食卓での禁令など、次第にエスカレートしたものが多かったのは確かです。しかし、法令の底辺にあったのは「動物愛護」から「人命尊重」へとつながっていった、確固たる綱吉の意思でした。
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