榎本武揚(えのもとたかあき)らの旧幕府海軍は、会津戦争が続いていた明治元(1868)年旧暦8月に江戸を脱出し、仙台で新選組の土方歳三(ひじかたとしぞう)ら旧幕府軍の残存兵を収容した後に蝦夷地へと向かうと、年末までに蝦夷地を平定して箱館の五稜郭(ごりょうかく)を拠点とする「蝦夷共和国」を樹立しました。
しかし、新政府は蝦夷共和国を認めず、雪解けを待って翌明治2(1869)年に攻め込みました。これを「箱館戦争」といいます。榎本らは陸海それぞれで戦いましたが敗れ、同年旧暦5月に土方は戦死し、榎本は新政府軍に降伏しました。
こうして鳥羽・伏見の戦いから約1年半にわたって続けられた戦いは新政府による国内統一というかたちで終止符を打ちました。これらの戦いを総称して「戊辰戦争」といいます。箱館戦争で降伏した榎本は投獄されましたが生命は助けられ、出獄後は新政府に登用されて、その後長く活躍しました。
ところで、幕末から戊辰戦争の終結までに多くの尊い生命が犠牲となったことに心を痛められた明治天皇は、その御霊(みたま)を慰めるため、明治2(1869)年に「東京招魂社(とうきょうしょうこんしゃ)」を創建されました。
東京招魂社はその後明治12(1879)年に「靖国(やすくに)神社」と改称され、国難に際して祖国に殉じた尊い英霊(えいれい)をお祀(まつ)りする神社として現在に至っています。
※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」をご紹介します。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※「黒田裕樹の歴史講座+日本史道場+東京歴史塾」のご案内です。他の教師とは全く異なる、歴史全体の大きな流れを重視した「分かりやすくて楽しい歴史」をモットーに多くの方にお教えいたします。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。


いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。