このため、幕府はカトリックを禁教にするとともに信仰する諸国と国交を断絶し、同じキリスト教でもプロテスタントであり、我が国での布教をしないと約束したオランダや、同じアジアの国同士である清国や朝鮮など、限られた国との間でしか貿易を行いませんでした。
つまり、江戸幕府はカトリックを我が国に広めさせないとともに、貿易の利益を幕府で独占するために極端な「制限貿易」を行ったのです。
制限貿易にはこうした事情があったうえに、カトリックの信仰国との国交断絶という強硬な手段が可能だったのは、戦国時代の終結からまだ時間が経っておらず、全国で数十万の武士やそれと数を同じくする大量の鉄砲が存在していたという、当時の世界で最強レベルの強大な武力があったからこそでした。
しかし、我が国で平和が長年続くうちに制限貿易の意味が履(は)き違えられて、諸外国との交渉を一切行わないという「鎖国」が「祖法」であるという考えがいつの間にか常識と化してしまっていたのです。
※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」をご紹介します。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※「黒田裕樹の歴史講座+日本史道場+東京歴史塾」のご案内です。他の教師とは全く異なる、歴史全体の大きな流れを重視した「分かりやすくて楽しい歴史」をモットーに多くの方にお教えいたします。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。


いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。