財政の支出を抑えるために政府が倹約することは決して間違っていませんが、それを一般庶民にまで強要してしまえば、消費が冷え込んで景気が悪化するばかりでなく、精神面でも余裕がなくなることで文化が衰退し、世の中全体が殺伐(さつばつ)とした雰囲気となってしまうのが目に見えていたからです。そしてそれは、改革の実施によって現実のものとなってしまいました。
ところで、天保の改革が始まった頃には、江戸をはじめとする大都市を中心に物価が値上がりしており、庶民の暮らしに大きな影響を与えていましたが、これらの主な原因は、人口の増加に伴って消費量が拡大した都会に対する生産地からの物資の供給不足にありました。
需要が増えているのに供給が不足すれば、物価が上がるのは当たり前ですから、江戸や大坂などの大都市への供給量を増やして物価を下げる政策を行えば良かったのですが、水野が実際に考えた対策は、経済の原則を無視したとんでもないものでした。
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