「菜の花や 月は東に 日は西に」のように、画家でもあった蕪村は詠(よ)んだ句がそのまま絵画の情景に使用できるような内容の句が多く、また「雀(すずめ)の子 そこのけそこのけ お馬が通る」のような動物や子供、あるいは農村の日常を詠んだ一茶の句には現代においても親近感を感じるものが多いです。なお、蕪村は「蕪村七部集(ぶそんしちぶしゅう)」、一茶は「おらが春」の作品集がそれぞれ有名です。
一方、町人の社会では世情(せじょう)を風刺したり、あるいは皮肉ったりした狂歌(きょうか)や川柳(せんりゅう)が流行しました。狂歌は短歌、川柳は俳諧をモチーフとしており、代表的な作者としては狂歌に大田南畝(おおたなんぽ、別名を蜀山人=しょくさんじん)が、川柳には名称の由来となった柄井川柳(からいせんりゅう)らがいます。
なお、狂歌の代表作としては、前回(第81回)の歴史講座で紹介した「白河の 清きに魚(うお)の すみかねて もとの濁(にご)りの 田沼こひしき」が知られています。また、当時の川柳を集めた作品集として「誹風柳多留(はいふうやなぎだる)」があり、「役人の 子は にぎにぎを よく覚え」などの作品が有名です。ちなみに「にぎにぎ」とは、賄賂(わいろ)をこっそりと手で握って受け取るという風刺の意味が込められた言葉です。
この他、和歌では僧の良寛(りょうかん)が子供との日常などの生活感情あふれる作品を残しています。
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