しかし、我が国を激しく憎むアメリカにとって、将来日本と戦争状態となることを想定すれば、日英同盟は邪魔(じゃま)な存在でしかなかったのです。このためアメリカはドイツが敗れて同盟の必要がなくなったことを口実として、カナダとともに日英同盟の破棄を強く迫りました。
イギリスは日英同盟の破棄までは必要ないと考えていましたが、第一次世界大戦において経済的あるいは軍事的に大きな恩恵を受けたアメリカの強硬な態度に抗しきれず、日英同盟を破棄する代わりにイギリス・アメリカ・日本・フランスの「四か国条約」が大正10(1921)年に結ばれました。
しかし、同盟というものは「1対1」だからこそ威力を発揮するのであり、数か国が連帯すれば責任の所在が分からなくなることから何の意味もなくなってしまうのが常識でした。まさに「共同責任は無責任」であり、太平洋の現状維持を取り決めた四か国条約がこの後に役立つことはなかったのです。
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