指名を受けた原は、陸・海軍大臣と外務大臣以外のすべての閣僚を政友会員で固めるなど、我が国初めての本格的な政党内閣を組織しました。また原自身が歴代の首相と異なり、爵位(しゃくい)を持つ華族でもなければ、藩閥出身者でもない平民であったため、当時の国民から「平民宰相」と呼ばれて歓迎されました。
原内閣は様々な政策を行いましたが、政党の影響力を強めるのに特に効果的だったのは、大正10(1921)年に郡制を廃止したことでした。当時の郡は単なる行政の区分単位ではなく、郡長や郡役所・郡会が存在していましたが、郡長が政府の内務官僚であったため、藩閥政府の影響力が郡自体にまで及んでいたのです。
また、原は経済発展のために鉄道を積極的に拡張しましたが、なかでも地方への鉄道の敷設(ふせつ)に重点を置いたことによって、郡制の廃止とともに政党の影響力を地方にまで幅広く拡大させることに成功しましたが、こうした卓越した政治力が原内閣の大きな強みでもありました。
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