吉宗には成人した三人の男子がおり、このうち長男は徳川家重(とくがわいえしげ)として9代将軍となりましたが、残る兄弟である徳川宗武(とくがわむねたけ)と徳川宗尹(とくがわむねただ)、さらに家重の次男である徳川重好(とくがわしげよし)の三人によって、新たに将軍継承権を持つ御三卿(ごさんきょう)が設置されました。
御三卿にはそれぞれ10万石が与えられましたが、藩と違って独立した領地を持たず、江戸城内の屋敷に定住しました。やがて、それぞれの屋敷に最も近い城内の門の名前から、宗武は田安家(たやすけ)、宗尹は一橋家(ひとつばしけ)、重好は清水家(しみずけ)と呼ばれるようになりました。
御三卿は、将軍と従来の御三家(水戸・尾張・紀州)との縁が幕府創設当時に比べて疎遠(そえん、遠ざかって関係が薄くなること)になったので、現将軍である吉宗の血縁を新たに「血のセーフティーネット」にすることで、幕府の将来を万全なものにしようというものでした。
ちなみにこの後、11代将軍として一橋家から徳川家斉(とくがわいえなり)が就任するなど、御三卿は「血のセーフティーネット」としての役割を果たすことになります。
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