現代でもそうですが、国民の中には収入が多い人々も少なくありません。彼らがぜいたく品などを買い求めたり、カルチャーセンターに通ったりすることによって経済が活性化し、結果として文化が広がっていくのです。徳川綱吉の時代に減税となって人々の暮らしに余裕が生まれ、多くの人々が遊びを求めた結果として、そのニーズに応えるかたちで元禄文化が生まれ、栄えたのが何よりの証拠です。
しかし、吉宗は結果として倹約令を国民にも「押し付けた」かたちになりました。倹約ばかりでは消費が冷え込み、景気が悪化するばかりでなく、人々の心にも余裕が生まれず、結果として文化も栄えません。綱吉の時代の元禄文化に対し、吉宗の時代に「享保文化」と呼ばれるものはついに誕生しませんでした。
吉宗の倹約令は庶民の消費欲を奪い、広まるべき文化の芽を摘(つ)み取ってしまったのですが、農民の生活はそれ以上に苦しめられていました。なぜそんなことになってしまったのでしょうか。実は、ここにも「儒教と商行為」の問題が見え隠れしているのです。
※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」をご紹介します。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※「黒田裕樹の歴史講座+日本史道場+東京歴史塾」のご案内です。他の教師とは全く異なる、歴史全体の大きな流れを重視した「分かりやすくて楽しい歴史」をモットーに多くの方にお教えいたします。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。


いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。