その後、これらのインフラが元禄時代までに一段落すると、年を追うごとに年貢率は低下していきました。年貢率の低下は生活の余裕をもたらし、それまで食べるのに精一杯だった人々が、やがて暮らしの中に遊びを求めるようになりました。
人々が遊びを求めれば、それだけ貨幣の動きが活発になることから、結果として経済が目覚ましく発展しました。経済の発展は遊びのさらなる進化をもたらし、武士や有力町民のみならず、庶民の間にまで高い水準の多彩な文化が発達することになったのです。
かくして、17世紀後半から末頃にかけ、世界に先駆けて生まれた一般庶民を中心とする当時の文化は、元禄時代を中心に栄えたことから「元禄文化」と呼ばれており、その特色としては、現世(げんせ)を「浮き世」と、すなわち人間社会の現実を肯定的(こうていてき)にとらえて実利を重んじる町人の思いが込められると同時に、この時代に奨励(しょうれい)された儒学(じゅがく)と政治との結びつきや、実証主義による古典研究や自然科学の学問の発達などといった様々な側面が見られます。
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