一方、御家人たちも徳政令によって一息ついたものの、依然(いぜん)として厳しい財政状況であることに変わりはありません。時が流れると、やがては生活に困るようになり、再び借上や土倉に借金を申し込むことになります。
しかし、国家権力によって一度痛い目にあっている借上や土倉たちは、余程(よほど)のことがない限り今までどおりにお金を貸してはくれません。永仁の徳政令は、結果として御家人たちの経済活動をかえって阻害(そがい)するという結果をもたらしてしまったのでした。
御家人の窮乏化(きゅうぼうか)の原因に分割相続があったことで、鎌倉時代の後期までには、惣領(そうりょう)が所領のすべてを相続するという単独相続が一般的になり、庶子(しょし)は惣領によって扶養(ふよう、養ってもらうこと)されるようになりました。また、女子に与えられる財産も減少し、相続を本人一代限りとして死後には惣領に返却するという一期分(いちごぶん)が多くなりました。
また、畿内(きない)やその周辺を中心として、武力に訴えて年貢の納入を拒否するなど、荘園領主や幕府に対抗する武士団が多く見られるようになりました。彼らは悪党(あくとう)と呼ばれ、その勢力はやがて各地に拡大して、得宗専制政治を強化した幕府を次第に悩(なや)ませるようになりました。
※明日(3月31日)からは第12回歴史講座の内容の更新を開始します。




いつも有難うございます。
トラックバック(0) |
紗那 ふぅ、良かった。貸し渋りの流れはちゃんと合ってました♪
そして、このころから、単独で相続していくようになるのですか。
この悪党は、鎌倉幕府の討幕の際に活躍した、楠木正成などの悪党と同じ部類のものなんですか?
紗那さんへ
黒田裕樹 > ふぅ、良かった。貸し渋りの流れはちゃんと合ってました♪
ハイ、合ってましたよ(^_^)v
さすがですね(^^♪
> そして、このころから、単独で相続していくようになるのですか。
そういうことです。分割相続は一見公平ですが、結局は一族のためにならないんですよね。
だからといって、誰が相続するかでも揉(も)めるのですが…。
> この悪党は、鎌倉幕府の討幕の際に活躍した、楠木正成などの悪党と同じ部類のものなんですか?
そうですね。鎌倉幕府の滅亡もいずれ取り上げますから、しばらくお待ち下さいね(^ω^)
管理人のみ閲覧できます
-
.
HANA子 分割相続の弊害と言えば、
遠く欧州のフランク王国の盛衰が思い浮かびます
フランク族の遺産相続が分割相続制だったことから相続争いが頻発して云々と
結果メロヴィンガ朝はカロリンガ朝にとって変わられ、カロリンガ朝も三代と続かず分裂・・・
やはりこの辺は洋の東西を問わないんでしょうね^^;
HANA子さんへ
黒田裕樹 そうですね。分割相続は分裂や弱体化などの弊害を生みますから、おいそれとはできないはずが、気がつくまで、あるいは気がついてもズルズルと続けて自滅する…。
同じように遺産争いが激しい単独相続の方が、基盤がしっかりしている分やはり強いのでしょうか。
いずれにしましても、仰るとおり東西関係なく、人間というのは痛い目にあわないと本当に理解できない生き物なのかもしれません。現状もそうなのかもしれませんが、果たして生き残れるのでしょうか?
.モラトリアム?
オバrev この徳政令は、亀井大臣が打ち上げたモラトリアム法案(骨抜きで可決されましたが)・・+郵貯銀行預け入れ2000万円・・・と同じですね・。
長期的なビジョンのない場当たり的な、今の民○党と似てるような気がします^^;
オバrevさんへ
黒田裕樹 > この徳政令は、亀井大臣が打ち上げたモラトリアム法案(骨抜きで可決されましたが)・・+郵貯銀行預け入れ2000万円・・・と同じですね・。
> 長期的なビジョンのない場当たり的な、今の民○党と似てるような気がします^^;
確かに似ていますね。
同じモラトリアムでも、高橋是清とは随分違いますし。
ビジョンのない政治は、いつの時代も混乱を生むだけです(´・ω・`)
そして、このころから、単独で相続していくようになるのですか。
この悪党は、鎌倉幕府の討幕の際に活躍した、楠木正成などの悪党と同じ部類のものなんですか?
ハイ、合ってましたよ(^_^)v
さすがですね(^^♪
> そして、このころから、単独で相続していくようになるのですか。
そういうことです。分割相続は一見公平ですが、結局は一族のためにならないんですよね。
だからといって、誰が相続するかでも揉(も)めるのですが…。
> この悪党は、鎌倉幕府の討幕の際に活躍した、楠木正成などの悪党と同じ部類のものなんですか?
そうですね。鎌倉幕府の滅亡もいずれ取り上げますから、しばらくお待ち下さいね(^ω^)
遠く欧州のフランク王国の盛衰が思い浮かびます
フランク族の遺産相続が分割相続制だったことから相続争いが頻発して云々と
結果メロヴィンガ朝はカロリンガ朝にとって変わられ、カロリンガ朝も三代と続かず分裂・・・
やはりこの辺は洋の東西を問わないんでしょうね^^;
同じように遺産争いが激しい単独相続の方が、基盤がしっかりしている分やはり強いのでしょうか。
いずれにしましても、仰るとおり東西関係なく、人間というのは痛い目にあわないと本当に理解できない生き物なのかもしれません。現状もそうなのかもしれませんが、果たして生き残れるのでしょうか?
長期的なビジョンのない場当たり的な、今の民○党と似てるような気がします^^;
> 長期的なビジョンのない場当たり的な、今の民○党と似てるような気がします^^;
確かに似ていますね。
同じモラトリアムでも、高橋是清とは随分違いますし。
ビジョンのない政治は、いつの時代も混乱を生むだけです(´・ω・`)