となれば、商人もいつかはコメを売らなければなりませんし、幕府や藩も備蓄米をいつまでも貯め込めませんから、いずれは処分しなければいけません。では、いつ手放せば良いのでしょうか。
この当時の農民は、先述した国役や伝馬役など、農作業以外にも様々な雑務に追われていました。これらはタダで働かされるのではなく、ちゃんと報酬が与えられていたのですが、それらはカネの他にコメで支払われていました。
つまり、農民にとっては、自分で収穫したコメを買い戻すという煩(わずら)わしさはあったものの、最終的には自分たちもコメを食べることによって、一年に収穫されたコメがすべて消費されたことになりますし、こうでないと辻褄(つじつま)が合わなくなるのです。
さて、農民が貧しくてコメを食べる機会がほとんどなかったという考えは間違いであったことが明らかになりましたが、江戸時代の農民は、私たちの想像以上に豊かだった可能性が高いという真実を皆さんはご存知でしょうか。
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