ところで、昭和に入ってから勅語の文章中の「天壤無窮(てんじょうむきゅう)ノ皇運(こううん)」や「億兆(おくちょう)心ヲ一(いつ)ニシテ」などの部分が、軍部を中心に特に強調されるようになりましたが、これは勅語本来の精神とは全く別の問題であると解釈できます。
なぜなら、勅語が発せられた明治23(1890)年といえば、国民の間でもようやく「幕府や藩への忠誠心」から「国家への忠誠心」へと明らかに変化した時期であり、それを踏まえたうえで「これからは国の元首たる天皇の下で国家の繁栄のために力を尽くしなさい」という意味が、勅語において伝統的で古風な手法で述べられているからです。
それにしても、教育勅語が我が国のために果たした役割の大きさを実感すればするほど、GHQ(=連合国軍最高司令官総司令部)からの強制的な指示によって、昭和23(1948)年6月に衆議院・参議院の両院で教育勅語の「排除」及び「失効」が決議されてしまったことが残念でなりません。
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