しかし、大逆罪はそもそも日本の皇族を想定してつくられており、同じ皇族といえども外国人にまで適用させるのは無理がありました。また、戒厳令のような非常の手段で死刑にしたとしても「法に規定が存在しないのに無理やり死刑にした」ことに変わりはなく、近代的な法治国家をめざす我が国がとるべき手段ではありませんでした。
加えて、いくら国際問題に発展しかねないからといえ、政府が裁判所に刑罰を強要するという行為は、司法権の独立を揺るがす大問題であり、近代国家として許されるものでないことは明らかでした。
結局、当時の大審院長(だいしんいんちょう、現在の最高裁判所長官)であった児島惟謙(こじまいけん、または「こじまこれかた」)は政府の要求をはねつけ、犯人の津田に刑法の規定どおり無期徒刑の判決を下しました。
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