海上保安庁は、チャイナの漁船側が故意に巡視船にぶつかったと判断して、船長を逮捕したうえで船を拿捕(だほ)しましたが、中華人民共和国側からの強硬な抗議に屈した菅内閣は、同月24日に船長を釈放してしまったことから、野党や国民の間からは「弱腰外交」との批判が高まりました。
衝突事件の際に、海上保安庁は状況をビデオで撮影していましたが、菅内閣は中華人民共和国への配慮から、国民への映像の全面公開を一貫して拒否し、一部の議員のみに公開していました。
しかし、11月4日に「sengoku38」と名乗る人物が、インターネット動画サイトの「YouTube」に本事件の映像と思われるチャイナの漁船が巡視船2隻(せき)に体当たりする場面が収録された合計44分の六分割された動画を流出させたことで、事件の全容が国民に広まるとともに、中華人民共和国側の挑発行為が国民の強い非難を生み出す流れにつながったのです。
なお「sengoku38」とは海上保安庁職員の一色正春(いっしきまさはる)氏であり、後に「衝突映像が闇から闇へ葬(ほうむ)られてはいけないと思った」ために流出させたと証言しました。一色氏は東京地検への書類送検と任意の事情聴取を受けた後、海上保安庁職員を辞職しています。
※下記の映像は2月21日までの掲載分をまとめたものです。
※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」が始まりました。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※「黒田裕樹の朝活歴史講座+日本史道場」のご案内です。他の教師とは全く異なる、歴史全体の大きな流れを重視した「分かりやすくて楽しい歴史」をモットーに多くの方にお教えいたします。詳しくは下記のバナーをご覧ください。
※平成28年4月13日(水)創刊!無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。



いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。