市(いち)では米や地方の特産物などが売買されるとともに、中央から商品を運んでくる行商人(ぎょうしょうにん)も現れるようになり、やがては常設の小売店である見世棚(みせだな)も見られるようになっていきました。また、手工業者(しゅこうぎょうしゃ)は製品を売りさばく商人も兼ねるようになり、同業種の商人が集まることによって、平安時代後期から認められていた寺社や公家に属しての製造や販売に関する特権が、この頃までには座(ざ)と呼ばれる団体に発展しました。
遠隔地(えんかくち)を結ぶ商業取引も盛んとなり、大量輸送を果たすために水運を利用したことで海上交通が発達しました。兵庫や淀といった各地の港や大河川沿いの交通の要地には、年貢の輸送や保管にあたる問丸(といまる)が発達し、陸運に関しても輸送業者としての馬借(ばしゃく)が現れました。
売買の手段としては、従来用いられてきた物々交換(ぶつぶつこうかん)にかわり、輸入された宋銭(そうせん)が使用され、遠隔地間の取引には為替(かわせ)が利用されました。貨幣経済の発達によって、荘園の一部では年貢の支払いも銭納(せんのう)で行われるなど便利になった一方で、銭を貸して高い利息を取る金融業者の借上(かしあげ)や、質屋の土倉(どそう)といった人々も現れました。
借上や土倉は、分割相続(ぶんかつそうぞく)による所領の細分化(さいぶんか)によって生活に苦しむようになった御家人に融資して、支払いが滞(とどこお)ると御家人の権利を取得して荘園の管理権を得る者まで現れるなど、経済の発達は、鎌倉幕府の根本(こんぽん)のひとつである御家人の生活にまで大きな影響を及ぼすようになっていきました。
(通常の更新は今回でしばらく中断して、明日(3日)からは第9回歴史講座の内容の更新を開始します)




いつも有難うございます。
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Masa 確認ありがとうございます。
そうなんですよ。文字変換とアルファベット入力がめんどくさいんですよねw
次回からの「第9回歴史講座」楽しみにしています。
Masaさんへ
黒田裕樹 > 確認ありがとうございます。
> そうなんですよ。文字変換とアルファベット入力がめんどくさいんですよねw
携帯での入力の話ですね。
私のブログの本文では時間がかかり過ぎますね(笑)。
> 次回からの「第9回歴史講座」楽しみにしています。
有難うございます(^o^)丿
是非お越しくださいね!
.
shana おおっ!初ですよこれは!
この講座の内容、完全コンプリートしてましたよ!
いやー、テンション上がりますねー。
しかし、このあたりから商人さんが台頭してくるんですね。 平和な時期にはやはり、頭があってカネもある商人の出番ということでしょうか。
shanaさんへ
黒田裕樹 > この講座の内容、完全コンプリートしてましたよ!
> いやー、テンション上がりますねー。
それは素晴らしいです(^o^)丿
今回の内容は高校レベルに近いですから、この先も楽しみですね(^_^)v
> しかし、このあたりから商人さんが台頭してくるんですね。 平和な時期にはやはり、頭があってカネもある商人の出番ということでしょうか。
そうですね。商業の台頭をはじめとする経済の発達は、やはり平和な世の中があってこそだと思います。
そうなんですよ。文字変換とアルファベット入力がめんどくさいんですよねw
次回からの「第9回歴史講座」楽しみにしています。
> そうなんですよ。文字変換とアルファベット入力がめんどくさいんですよねw
携帯での入力の話ですね。
私のブログの本文では時間がかかり過ぎますね(笑)。
> 次回からの「第9回歴史講座」楽しみにしています。
有難うございます(^o^)丿
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この講座の内容、完全コンプリートしてましたよ!
いやー、テンション上がりますねー。
しかし、このあたりから商人さんが台頭してくるんですね。 平和な時期にはやはり、頭があってカネもある商人の出番ということでしょうか。
> いやー、テンション上がりますねー。
それは素晴らしいです(^o^)丿
今回の内容は高校レベルに近いですから、この先も楽しみですね(^_^)v
> しかし、このあたりから商人さんが台頭してくるんですね。 平和な時期にはやはり、頭があってカネもある商人の出番ということでしょうか。
そうですね。商業の台頭をはじめとする経済の発達は、やはり平和な世の中があってこそだと思います。