しかし、我が国にとって、リットン調査団の主張は到底承認できるものではありませんでした。なぜなら、満州における我が国の軍事行為には日本人居留民の保護という正当な理由がありましたし、また、そのために現地の満州族による国家をつくったということは、欧米列強による植民地化に伴う簒奪(さんだつ)行為とは雲泥(うんでい)の差がありました。
加えて、満州への進出は、アメリカやイギリスなどがブロック経済と化していく中で、資源を持たない我が国が生き残るための正当な手段であるとともに、広大な満州の権益以外に我が国が頼れるものがないに等しいという深刻な事情もあったのです。
それなのに、欧米列強は自分たちが好き勝手に植民地から収奪しておきながら、我が国による正当かつ人道的な統治行為を一切認めようともしない。これまで我が国は世界の一流国をめざして欧米列強と妥協(だきょう)に妥協を重ねてきたが、これ以上の欧米による身勝手に、もはや我が国が付き合う必要はないのではないか。
そんな我が国の思いが、国際的に重大な決断をすることにつながったのです。
※下記の映像は6月11日までの掲載分をまとめたものです。
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