また、西洋医学の解剖書(かいぼうしょ)を訳した解体新書(かいたいしんしょ)が、前野良沢(まえのりょうたく)や杉田玄白(すぎたげんぱく)らによって完成した(1774年)のも田沼時代の頃ですし、エレキテルを復元するなど物理学の研究を進めた平賀源内(ひらがげんない)や、江戸時代の俳諧(はいかい)の巨匠(きょしょう)の一人であり、また画家でもあった与謝蕪村(よさぶそん)もこの頃の人物です。
このように、画期的かつ斬新(ざんしん)な政治を行ったことで、経済や文化を発展させ、幕府財政の好転をもたらした意次でしたが、これらの政策の展開を苦々(にがにが)しい思いで見ている人々がいました。商人の力を借りることは恥(はじ)であるとする「儒教と商行為」の呪縛から逃れられない人々や、元々は紀州藩の足軽に過ぎなかった家の男が老中まで出世しやがるとは何事だ、この「成り上がり者」めが、と意次を嫉妬(しっと)の炎で見つめる旧来(きゅうらい)の身分の高い人々でした。
そして、彼らの筆頭格といえる人物こそが、白河藩(しらかわはん、現在の福島県)の藩主である松平定信でした。定信は嫉妬の他にも、激しい憎悪(ぞうお)の目で意次を見ていました。そこには、意次と定信をめぐる抜き差しならない因縁(いんねん)が存在していたのです。




いつも有難うございます。
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晴雨堂ミカエル 意次に対する定信の憎悪、ふと思い出した事があります。
意次と定信ほどではありませんが、直弼と斉昭の確執もかなり厳しいものですね。
名君と讃えられている一方で、下の方も盛んで、あくまで俗説ですが嫁いじりはするは、将軍家の大奥にまで触手を伸ばすは、厄介な存在。しかしカリスマ性は大きくて旗本大名の精神的支柱でもあり、幕府の責任者にとっては嫌な奴だったことでしょう。
これも俗説ですが、彦根藩は当時から牛肉を密かに将軍家へ「精力剤」として献上、それが水戸藩にも贈られていたらしいですが、直弼の代で牛肉の贈呈を打ち切り、これに斉昭が激怒。
幕府最高の権限を持ちながらあくまで家来筋の直弼にとって、幕政に責任は無いが主君筋の権威を背景にやりたい放題の斉昭の存在は、頭痛の種だったことでしょう。
定信になるともっと厄介ですね。意次は身の危険も感じたのではないかと想像します。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 徳川斉昭はあと一歩で水戸藩の後継になりそこなるところでしたからね。
幕府に対して含むところもあったのではないかと思います。その後、自分の息子を後の将軍後継にすえることに成功しましたが、それが幕府崩壊の幕を開けることになろうとは―。
相続問題がこじれると、ろくなことがありませんね。
そして、「あの人」も同じような運命をたどることに…。
.
馬人 お久しぶりですーっ^^*
田沼時代、確かに文化が栄えていましたね!
良い文化だと思うのですが、その中でも嫉妬や憎悪の目が向いていたのですか。
所詮、人間だから嫉妬はしょうがない・・・のかな?w
馬人さんへ
黒田裕樹 > お久しぶりですーっ^^*
お久しぶりです。復活おめでとうございます(^o^)丿
> 田沼時代、確かに文化が栄えていましたね!
> 良い文化だと思うのですが、その中でも嫉妬や憎悪の目が向いていたのですか。
> 所詮、人間だから嫉妬はしょうがない・・・のかな?w
嫉妬をしない人間なんてこの世に存在しませんが、嫉妬をし過ぎるのも問題ですね。
これに憎悪がからむともっとややこしいことになるから困ったものです。
今回の場合も…(´・ω・`)
.
ぴーち こんばんは!
そういえば、蕪村は私の住んでいる市に縁が深いということを昔、習ったことがあります。
確か、蕪村という名前を初めて名乗った事で有名だったかしら。・
ちょっと記憶が曖昧ですみません^^;
意次の件は、まさに「出る杭は、打たれる」ですね。
抜き差しならない因縁が気になりますね(^^9
それでは、応援凸
また、お邪魔しますね!
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > そういえば、蕪村は私の住んでいる市に縁が深いということを昔、習ったことがあります。
> 確か、蕪村という名前を初めて名乗った事で有名だったかしら。・
> ちょっと記憶が曖昧ですみません^^;
仰るとおり、蕪村を初めて名乗ったときにはぴーちさんの地元になじみが深いですね。ちなみに蕪村が生まれたのは私が住む区の隣なんですよ(^^♪
> 意次の件は、まさに「出る杭は、打たれる」ですね。
> 抜き差しならない因縁が気になりますね(^^9
いよいよ定信の登場です。果たしてどうなることやら…。
.
オバrev 田沼意次の才能は素晴らしいですね。現代にも蘇って欲しい人材です。
でも1代で下からのし上がって来た人間は、やはり敵も多いだろうし、特に従来の特権階級の人間から見れば優秀であることは分かっていても、面白くないと思うものなんでしょうね。その気持ちも何となく分かります。
しかしそういう人間は多くいたと思いますが、松平定信には抜き差しならない因縁が存在していたって、いったいどういう因縁だったんですかね・・・これは明日のお楽しみ?
オバrevさんへ
黒田裕樹 > 田沼意次の才能は素晴らしいですね。現代にも蘇って欲しい人材です。
聖徳太子もそうですし、現代にも存在してほしい歴史上の人物は多いですよね。
> でも1代で下からのし上がって来た人間は、やはり敵も多いだろうし、特に従来の特権階級の人間から見れば優秀であることは分かっていても、面白くないと思うものなんでしょうね。その気持ちも何となく分かります。
私も理解はできますが、自分達の都合で国民の生活をメチャメチャにしてしまうのはどうも…。あれ? これって昔のことだけでしょうか?
> しかしそういう人間は多くいたと思いますが、松平定信には抜き差しならない因縁が存在していたって、いったいどういう因縁だったんですかね・・・これは明日のお楽しみ?
ハイ、お楽しみです(笑)。
明日からは意次と定信に関する話がしばらく続きますよ。
意次と定信ほどではありませんが、直弼と斉昭の確執もかなり厳しいものですね。
名君と讃えられている一方で、下の方も盛んで、あくまで俗説ですが嫁いじりはするは、将軍家の大奥にまで触手を伸ばすは、厄介な存在。しかしカリスマ性は大きくて旗本大名の精神的支柱でもあり、幕府の責任者にとっては嫌な奴だったことでしょう。
これも俗説ですが、彦根藩は当時から牛肉を密かに将軍家へ「精力剤」として献上、それが水戸藩にも贈られていたらしいですが、直弼の代で牛肉の贈呈を打ち切り、これに斉昭が激怒。
幕府最高の権限を持ちながらあくまで家来筋の直弼にとって、幕政に責任は無いが主君筋の権威を背景にやりたい放題の斉昭の存在は、頭痛の種だったことでしょう。
定信になるともっと厄介ですね。意次は身の危険も感じたのではないかと想像します。
幕府に対して含むところもあったのではないかと思います。その後、自分の息子を後の将軍後継にすえることに成功しましたが、それが幕府崩壊の幕を開けることになろうとは―。
相続問題がこじれると、ろくなことがありませんね。
そして、「あの人」も同じような運命をたどることに…。
田沼時代、確かに文化が栄えていましたね!
良い文化だと思うのですが、その中でも嫉妬や憎悪の目が向いていたのですか。
所詮、人間だから嫉妬はしょうがない・・・のかな?w
お久しぶりです。復活おめでとうございます(^o^)丿
> 田沼時代、確かに文化が栄えていましたね!
> 良い文化だと思うのですが、その中でも嫉妬や憎悪の目が向いていたのですか。
> 所詮、人間だから嫉妬はしょうがない・・・のかな?w
嫉妬をしない人間なんてこの世に存在しませんが、嫉妬をし過ぎるのも問題ですね。
これに憎悪がからむともっとややこしいことになるから困ったものです。
今回の場合も…(´・ω・`)
そういえば、蕪村は私の住んでいる市に縁が深いということを昔、習ったことがあります。
確か、蕪村という名前を初めて名乗った事で有名だったかしら。・
ちょっと記憶が曖昧ですみません^^;
意次の件は、まさに「出る杭は、打たれる」ですね。
抜き差しならない因縁が気になりますね(^^9
それでは、応援凸
また、お邪魔しますね!
> 確か、蕪村という名前を初めて名乗った事で有名だったかしら。・
> ちょっと記憶が曖昧ですみません^^;
仰るとおり、蕪村を初めて名乗ったときにはぴーちさんの地元になじみが深いですね。ちなみに蕪村が生まれたのは私が住む区の隣なんですよ(^^♪
> 意次の件は、まさに「出る杭は、打たれる」ですね。
> 抜き差しならない因縁が気になりますね(^^9
いよいよ定信の登場です。果たしてどうなることやら…。
でも1代で下からのし上がって来た人間は、やはり敵も多いだろうし、特に従来の特権階級の人間から見れば優秀であることは分かっていても、面白くないと思うものなんでしょうね。その気持ちも何となく分かります。
しかしそういう人間は多くいたと思いますが、松平定信には抜き差しならない因縁が存在していたって、いったいどういう因縁だったんですかね・・・これは明日のお楽しみ?
聖徳太子もそうですし、現代にも存在してほしい歴史上の人物は多いですよね。
> でも1代で下からのし上がって来た人間は、やはり敵も多いだろうし、特に従来の特権階級の人間から見れば優秀であることは分かっていても、面白くないと思うものなんでしょうね。その気持ちも何となく分かります。
私も理解はできますが、自分達の都合で国民の生活をメチャメチャにしてしまうのはどうも…。あれ? これって昔のことだけでしょうか?
> しかしそういう人間は多くいたと思いますが、松平定信には抜き差しならない因縁が存在していたって、いったいどういう因縁だったんですかね・・・これは明日のお楽しみ?
ハイ、お楽しみです(笑)。
明日からは意次と定信に関する話がしばらく続きますよ。