一方、共産主義国家のソ連では、いわゆる「五か年計画」が成功しているかのように見えたことで、世界の経済政策は、先述したアメリカのフランクリン=ルーズベルト大統領によるニューディール政策や、ドイツのヒトラーなど、自由主義から社会主義へとシフトし始めるものも現れました。
我が国でも、金融恐慌から昭和恐慌へと不況が続くなかで、北一輝(きたいっき)や大川周明(おおかわしゅうめい)などを中心として、次第に「国家社会主義思想」が広まるようになりました。
国家社会主義とは、天皇を中心としながらも、その思想は「貧富の差を憎むとともに私有財産制を否定して、資本を人民で共有する」という社会主義(=共産主義)そのものでした。
要するにドイツのヒトラーや、当時のソ連の指導者であったスターリンを天皇に置き換えただけであり、天皇という「錦の御旗(みはた)」を利用することで、社会主義の本質をごまかしているに過ぎなかったのです。しかし、当時の我が国が大不況であったがゆえに、この国家社会主義思想は当時の軍人、特に青年将校を中心に大きな広がりを見せるようになりました。
※下記の映像は5月29日までの掲載分をまとめたものです。
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