しかし、我が国が日露戦争に勝利したという事実は、アメリカをして我が国に警戒感を植え付けせしむ結果をもたらしましたし、さらに、前回(第64回)に詳しく紹介したように、戦争後に鉄道王ハリマンの提案を我が国がはねつけたことも、満州など東アジアでの権益を狙っていたアメリカの対日感情の悪化につながりました。
かくして、アメリカは我が国に対して敵意をむき出しにするようになり、アメリカ本土における日本からの移民に厳しい政策を行うようになったほか、チャイナが喧伝した「二十一箇条の要求」を「利用」して、アメリカ政府がチャイナを支援することを表明したり、アメリカの新聞各紙もこぞって我が国を非難したりしました。
これらの「攻撃」に対して、我が国は明確な対策を講じることが結局はできず、日本に関する「意図的につくられた不当なイメージ」だけが独り歩きする結果を残してしまったのです。こうなった原因の一つとしては、元老(げんろう)がその威厳によって我が国を支えていた明治の頃と比べ、政党が自己保全のために政争を最優先することが多かった大正時代には、軍事や政治の安定したバランスが崩れていたことが挙げられます。
※下記の映像は4月19日までの掲載分をまとめたものです。
(※黒田裕樹の「百万人の歴史講座」が始まりました。詳しくは下記のバナーをご覧ください)
※平成28年4月13日(水)創刊!無料メルマガ「黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編」の登録はこちらからどうぞ。多くの皆様のご購読をよろしくお願いいたします。




いつも応援いただきまして、本当に有難うございます。