田沼時代の頃までには、物品ごとに仕入れから販売までの独自のルートが確立されており、複数の同業の商人によって運営されていました。意次は、これら物品のルートごとに税を、すなわち物品ごとに流通税(りゅうつうぜい)をかけることで、「儒教と商行為」の影響を和らげようとしたのです。
こうした発想の転換に対して、商人たちは「独占的に流通ルートを認めてくれるのならば」と条件付きで税を支払うことに応じました。こうして幕府と商人たちとの思惑が一致したことによって、営業の独占権を与えられた株仲間(かぶなかま)が幕府の公認を受けることになりました。
株仲間が扱(あつか)った商品は油や紙にロウソク、綿などの日用品や、銅や鉄などの金属が中心であり、江戸では十組問屋(とくみどんや)、大坂(現在の大阪)では二十四組問屋が結成されました。また、彼らから集められた運上(うんじょう)や冥加(みょうが)によって幕府財政も潤(うるお)い、商業の繁栄(はんえい)は景気を上向かせる要素にもなりました。




いつも有難うございます。
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ぴーち こんばんは!
この時代に営業の独占権が認められたんですね。
株仲間という言葉は、記憶にありましたが、こういうことだったんですね!
現代の独占禁止法との関わりは
あるのでしょうか?
それでは、応援凸
また、お邪魔しますね!
ぴーちさんへ
黒田裕樹 > この時代に営業の独占権が認められたんですね。
> 株仲間という言葉は、記憶にありましたが、こういうことだったんですね!
> 現代の独占禁止法との関わりは
> あるのでしょうか?
この頃は「独占禁止法」の概念はどちらかといえば薄かったと思われます。
田沼時代には、商人から税を集めることのメリットを重視していました。
株仲間は後に解散させられますが、その場合も「物価が下がらない元凶」とされたのが主な理由ですね。
.まいった!
オバrev すべてをうまくまとめた田沼意次の柔軟な思考にはまいった!ですね。
この流通税って、今の消費税と同じようなものですか?
オバrevさんへ
黒田裕樹 > すべてをうまくまとめた田沼意次の柔軟な思考にはまいった!ですね。
本当にそうですね。取れるところから極力問題が出ないように取る。現代の政治家や官僚も、もっと頭をひねってほしいものです。
> この流通税って、今の消費税と同じようなものですか?
現代でいえば、財産や権利の取得、移転などに対して課される税のことで、印紙税や自動車重量税、登録免許税、不動産取得税、有価証券取引税などに相当しますね。
この時代に営業の独占権が認められたんですね。
株仲間という言葉は、記憶にありましたが、こういうことだったんですね!
現代の独占禁止法との関わりは
あるのでしょうか?
それでは、応援凸
また、お邪魔しますね!
> 株仲間という言葉は、記憶にありましたが、こういうことだったんですね!
> 現代の独占禁止法との関わりは
> あるのでしょうか?
この頃は「独占禁止法」の概念はどちらかといえば薄かったと思われます。
田沼時代には、商人から税を集めることのメリットを重視していました。
株仲間は後に解散させられますが、その場合も「物価が下がらない元凶」とされたのが主な理由ですね。
この流通税って、今の消費税と同じようなものですか?
本当にそうですね。取れるところから極力問題が出ないように取る。現代の政治家や官僚も、もっと頭をひねってほしいものです。
> この流通税って、今の消費税と同じようなものですか?
現代でいえば、財産や権利の取得、移転などに対して課される税のことで、印紙税や自動車重量税、登録免許税、不動産取得税、有価証券取引税などに相当しますね。