実は、当時の江戸幕府では賄賂を取ることはむしろ当たり前という感覚がありました。なぜなら、賄賂を取ればそれだけ、賄賂を贈ってくる側の諸大名や商人の勢力を削(そ)ぐことができるからです。従って、幕府の権力を保つためという口実のもとに、意次以外の幕閣(ばっかく、幕府の首脳のこと)も積極的に賄賂を受け取っていたのが現実の姿でした。
加えて、そもそも有力な政治家に対して金品を贈ることは、現代の法律で認められた「政治献金」も含めて、昔も今もある意味当然の感覚ですし、当時の幕閣の中で、意次に一番実力があると誰しもが思ったからこそ、彼に賄賂を贈っていたとも考えられます。
ちなみに、清廉潔白(せいれんけっぱく、心が清くて私欲がなく、後ろ暗いところのないこと)で知られる松平定信も、幕閣入りを目指して意次にしきりに賄賂を贈っていたのは有名な話です。




いつも有難うございます。
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こえめ 「賄賂」の意味が今と違ったていたとは、目からウロコのお話でした。
今の感覚で歴史をみる危険性があること、よく分かりました。
文化は生き物。変化していますものねッ。
世界中の歴史も、新しい解釈で書き換えられているんでしょう?
人間の視野が狭いことは、常に頭の隅に入れておくことが必要だなって思いました。
私達が知っていると思っていること、正しいとされていること。
絶対の価値じゃないってことニャね。
あ。猫が出ちゃった(笑)
.
スズメ あけましておめでとうございます。
いつも、読んでぽち!にて失礼しています。
今年もよろしくお願い致します。
.
スポーツ猫 こんばんわお邪魔します。
当時の時代では「賄賂」が悪い事と思われていなかったばかりか
松平定信も田沼意次に「賄賂」をやっていたのは本当に吃驚しました。
現代の常識では信じられないような事ですが。
今日もまた一つ勉強させて貰いありがとうございました。
.明けましておめでとうございます。
オバrev なるほど、確かに賄賂が悪だという先入観がありますね。政治献金と考えればまた見方が違ってきます。
これは現代もありますからね。むしろ現代の方がもっと賄賂っぽいかもしれません。
知り合いの設計会社社長が施主から依頼を受けて、基本構想を決めて行政手続きを行って、さあ具体的な設計に入ろうとしたところで、某大物議員からその施主に「設計はこの業者を使ってくれ」という横やりが入ることがあったそうです(^^;
諦めるしかなかったそうです。
.
ふぃる 明けましておめでとうございます^^
今年こそは、黒田先生の歴史講座を聞きに行きたいと思います。
教科書には無い、心引き込まれる歴史をぜひ
子どもにも聞かせたいです^^
今年もよろしくお願いします。
.
HANA子 明けましておめでとうございます!
以前からおうかがいだけはしていたのですが、遅ればせながら初めてコメントさせていただきます
わたしは歴史好きを自称しているのですけど、
なんとも“好き”の枠から脱してないなぁと頭をかきかき毎回拝読してます
もっぱら近現代史ばかりのわたしは、中々中世以前・・・江戸時代や鎌倉時代には顔が向かないのですけど、こちらの記事を読んでてとても興味をひかれてきました
ブログ、講座ともにがんばってください^^
こえめさんへ
黒田裕樹 > 「賄賂」の意味が今と違ったていたとは、目からウロコのお話でした。
> 今の感覚で歴史をみる危険性があること、よく分かりました。
> 文化は生き物。変化していますものねッ。
そのとおりです。
現代の価値観で過去の物事を見極めることは非常に危険なんです。
例えば忠臣蔵なども、現代に当てはめれば単なる「集団による虐殺事件」になってしまいますし。
> 世界中の歴史も、新しい解釈で書き換えられているんでしょう?
> 人間の視野が狭いことは、常に頭の隅に入れておくことが必要だなって思いました。
> 私達が知っていると思っていること、正しいとされていること。
> 絶対の価値じゃないってことニャね。
> あ。猫が出ちゃった(笑)
日本史に限らず、世界史も「勝者が書く歴史」ということで見直す必要がありますね。
例えば、過去に「インディアン」と言われて不当な扱いを受けたアメリカの原住民も、最近では「ネイティヴアメリカン」と呼称するのが当然となっているように。
過去と現在との価値観の違いを意識したうえで歴史を見ないと、我々はとんでもない勘違いをしてしまいかねないということです。
ところで、最後の一言は聞かなかったことにしておきますね(笑)。
スズメさんへ
黒田裕樹 明けましておめでとうございます。
こちらこそいつも「読み逃げ」ばかりで恐縮です。
今年の更新も楽しみにしております。
スポーツ猫さんへ
黒田裕樹 > 当時の時代では「賄賂」が悪い事と思われていなかったばかりか
> 松平定信も田沼意次に「賄賂」をやっていたのは本当に吃驚しました。
> 現代の常識では信じられないような事ですが。
江戸時代のような封建社会では、将来は敵になりそうな勢力をつぶすことも重要な役割でした。今回の話は、このような「当時の常識」が分かっていないと、本当の歴史を理解することができないという一つの例だと思います。
松平定信については、まだまだ私たちが目くらましされていることが今後もどんどん出てくることになりますので、今後もお付き合いいただければ幸いです。
> 今日もまた一つ勉強させて貰いありがとうございました。
今日も励ましのお言葉を有難うございますm(_ _)m
オバrevさんへ
黒田裕樹 > なるほど、確かに賄賂が悪だという先入観がありますね。政治献金と考えればまた見方が違ってきます。
> これは現代もありますからね。むしろ現代の方がもっと賄賂っぽいかもしれません。
そのとおりです。実力があると認めた政治家であるからこそ、便宜をはかってもらいたくて競って献金しようとするのが自然な流れですよね。「クリーン」を強調するのは、実は己の実力がないことを天下に知らしめていることでもあります。
> 知り合いの設計会社社長が施主から依頼を受けて、基本構想を決めて行政手続きを行って、さあ具体的な設計に入ろうとしたところで、某大物議員からその施主に「設計はこの業者を使ってくれ」という横やりが入ることがあったそうです(^^;
> 諦めるしかなかったそうです。
生々しい話ですが、それが現実なんですよね(´・ω・`)
あまり子供たちには話したくないですが、こういう現実を知ったうえで、将来どうするのかということを考えさせるのも一つの教育かもしれません。
ふぃるさんへ
黒田裕樹 明けましておめでとうございます。
激励のお言葉有難うございます。
講座にご参加いただければ、こんなに心強いことはございません。
今年もよろしくお願いします。
HANA子さんへ
黒田裕樹 コメント有難うございます。
近現代史についてはなかなか取り上げる機会がなかったのですが、今月(1月)の23日の講座で明治憲法に関する講座を行うことにしましたので、ご期待いただければ幸いです。
歴史好きなのは素晴らしいことだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
.稀代の宰相
晴雨堂ミカエル あけましておめでとうございます。
一介の旗本から大名へと出世した江戸時代の行政官といえば大岡越前があまりに有名ですが、意次はそれをはるかに上回る偉業ですね。ヒエラルキーが確立してしまった天下泰平の世で大名となるのは余程の事です。
大河ドラマで意次を主人公にやってほしいところですが、視聴率はとれないでしょうな。
晴雨堂ミカエルさんへ
黒田裕樹 > あけましておめでとうございます。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
> 一介の旗本から大名へと出世した江戸時代の行政官といえば大岡越前があまりに有名ですが、意次はそれをはるかに上回る偉業ですね。ヒエラルキーが確立してしまった天下泰平の世で大名となるのは余程の事です。
仰るとおりです。武力による出世がもはや望めない世の中だっただけに、通常では考えられないですね。まさに不可能を可能にした政治家だと思いますし、その原因はやはり政治力にあると考えられます。
> 大河ドラマで意次を主人公にやってほしいところですが、視聴率はとれないでしょうな。
残念ながら望み薄ですね。今年の大河ドラマのように、大衆受けする芸能人を主人公にできないでしょうし…(´・ω・`)
わいろ
JJSG 人間ですからね。
わいろはあるでしょうね。
暴れん坊将軍もわいろを贈っていた、というのは笑えました。
”わいろ”そのものがダメだとは思いません。
わいろに対して見返りを期待する心、そして、そのお金を何に使うか。
そここそが問題だと思います。
JJSGさんへ
黒田裕樹 そうですね。
人間はいつの間にか、何かをすることに見返りを求めようと考えてしまう。
また、労せずして得たお金は、大抵はつまらないことに使ってしまう。
悪しき人間の業ですね。
今の感覚で歴史をみる危険性があること、よく分かりました。
文化は生き物。変化していますものねッ。
世界中の歴史も、新しい解釈で書き換えられているんでしょう?
人間の視野が狭いことは、常に頭の隅に入れておくことが必要だなって思いました。
私達が知っていると思っていること、正しいとされていること。
絶対の価値じゃないってことニャね。
あ。猫が出ちゃった(笑)
いつも、読んでぽち!にて失礼しています。
今年もよろしくお願い致します。
当時の時代では「賄賂」が悪い事と思われていなかったばかりか
松平定信も田沼意次に「賄賂」をやっていたのは本当に吃驚しました。
現代の常識では信じられないような事ですが。
今日もまた一つ勉強させて貰いありがとうございました。
これは現代もありますからね。むしろ現代の方がもっと賄賂っぽいかもしれません。
知り合いの設計会社社長が施主から依頼を受けて、基本構想を決めて行政手続きを行って、さあ具体的な設計に入ろうとしたところで、某大物議員からその施主に「設計はこの業者を使ってくれ」という横やりが入ることがあったそうです(^^;
諦めるしかなかったそうです。
今年こそは、黒田先生の歴史講座を聞きに行きたいと思います。
教科書には無い、心引き込まれる歴史をぜひ
子どもにも聞かせたいです^^
今年もよろしくお願いします。
以前からおうかがいだけはしていたのですが、遅ればせながら初めてコメントさせていただきます
わたしは歴史好きを自称しているのですけど、
なんとも“好き”の枠から脱してないなぁと頭をかきかき毎回拝読してます
もっぱら近現代史ばかりのわたしは、中々中世以前・・・江戸時代や鎌倉時代には顔が向かないのですけど、こちらの記事を読んでてとても興味をひかれてきました
ブログ、講座ともにがんばってください^^
> 今の感覚で歴史をみる危険性があること、よく分かりました。
> 文化は生き物。変化していますものねッ。
そのとおりです。
現代の価値観で過去の物事を見極めることは非常に危険なんです。
例えば忠臣蔵なども、現代に当てはめれば単なる「集団による虐殺事件」になってしまいますし。
> 世界中の歴史も、新しい解釈で書き換えられているんでしょう?
> 人間の視野が狭いことは、常に頭の隅に入れておくことが必要だなって思いました。
> 私達が知っていると思っていること、正しいとされていること。
> 絶対の価値じゃないってことニャね。
> あ。猫が出ちゃった(笑)
日本史に限らず、世界史も「勝者が書く歴史」ということで見直す必要がありますね。
例えば、過去に「インディアン」と言われて不当な扱いを受けたアメリカの原住民も、最近では「ネイティヴアメリカン」と呼称するのが当然となっているように。
過去と現在との価値観の違いを意識したうえで歴史を見ないと、我々はとんでもない勘違いをしてしまいかねないということです。
ところで、最後の一言は聞かなかったことにしておきますね(笑)。
こちらこそいつも「読み逃げ」ばかりで恐縮です。
今年の更新も楽しみにしております。
> 松平定信も田沼意次に「賄賂」をやっていたのは本当に吃驚しました。
> 現代の常識では信じられないような事ですが。
江戸時代のような封建社会では、将来は敵になりそうな勢力をつぶすことも重要な役割でした。今回の話は、このような「当時の常識」が分かっていないと、本当の歴史を理解することができないという一つの例だと思います。
松平定信については、まだまだ私たちが目くらましされていることが今後もどんどん出てくることになりますので、今後もお付き合いいただければ幸いです。
> 今日もまた一つ勉強させて貰いありがとうございました。
今日も励ましのお言葉を有難うございますm(_ _)m
> これは現代もありますからね。むしろ現代の方がもっと賄賂っぽいかもしれません。
そのとおりです。実力があると認めた政治家であるからこそ、便宜をはかってもらいたくて競って献金しようとするのが自然な流れですよね。「クリーン」を強調するのは、実は己の実力がないことを天下に知らしめていることでもあります。
> 知り合いの設計会社社長が施主から依頼を受けて、基本構想を決めて行政手続きを行って、さあ具体的な設計に入ろうとしたところで、某大物議員からその施主に「設計はこの業者を使ってくれ」という横やりが入ることがあったそうです(^^;
> 諦めるしかなかったそうです。
生々しい話ですが、それが現実なんですよね(´・ω・`)
あまり子供たちには話したくないですが、こういう現実を知ったうえで、将来どうするのかということを考えさせるのも一つの教育かもしれません。
激励のお言葉有難うございます。
講座にご参加いただければ、こんなに心強いことはございません。
今年もよろしくお願いします。
近現代史についてはなかなか取り上げる機会がなかったのですが、今月(1月)の23日の講座で明治憲法に関する講座を行うことにしましたので、ご期待いただければ幸いです。
歴史好きなのは素晴らしいことだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
一介の旗本から大名へと出世した江戸時代の行政官といえば大岡越前があまりに有名ですが、意次はそれをはるかに上回る偉業ですね。ヒエラルキーが確立してしまった天下泰平の世で大名となるのは余程の事です。
大河ドラマで意次を主人公にやってほしいところですが、視聴率はとれないでしょうな。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
> 一介の旗本から大名へと出世した江戸時代の行政官といえば大岡越前があまりに有名ですが、意次はそれをはるかに上回る偉業ですね。ヒエラルキーが確立してしまった天下泰平の世で大名となるのは余程の事です。
仰るとおりです。武力による出世がもはや望めない世の中だっただけに、通常では考えられないですね。まさに不可能を可能にした政治家だと思いますし、その原因はやはり政治力にあると考えられます。
> 大河ドラマで意次を主人公にやってほしいところですが、視聴率はとれないでしょうな。
残念ながら望み薄ですね。今年の大河ドラマのように、大衆受けする芸能人を主人公にできないでしょうし…(´・ω・`)
わいろはあるでしょうね。
暴れん坊将軍もわいろを贈っていた、というのは笑えました。
”わいろ”そのものがダメだとは思いません。
わいろに対して見返りを期待する心、そして、そのお金を何に使うか。
そここそが問題だと思います。
人間はいつの間にか、何かをすることに見返りを求めようと考えてしまう。
また、労せずして得たお金は、大抵はつまらないことに使ってしまう。
悪しき人間の業ですね。