貨幣の価値が下がれば物価が上昇するのは当たり前です。しかも、好景気時に貨幣における金の含有量(がんゆうりょう)を下げて文化を向上させたかつての「元禄小判」とは違って、貿易による値上がりで景気が悪化していた時期に貨幣を改鋳(かいちゅう)しましたから、物価がますます上昇して悪質なインフレーションとなり、庶民の暮らしは大きな打撃を受けるようになってしまいました。
庶民の怒りは貿易に対する反感となり、貿易を行っていた商人や我が国に在留(ざいりゅう)する外国人が襲(おそ)われるようになりました。例えば、万延元年旧暦12月(1861年1月)にはハリスの通訳でオランダ人のヒュースケンが江戸で暗殺されています。こうした外国人に対する襲撃(しゅうげき)は、そのまま攘夷運動の激化につながりました。
また、世相(せそう)の不安が、農村では百姓一揆の、都市では打ちこわしの多発を招き、これらに対応しきれない幕府の権威はますます下がっていきました。
※下記の映像は1月24日までの掲載分をまとめたものです。
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