そこで、イスパニアは勢力の衰えていた明に着目し、我が国での布教に成功したキリシタン大名を利用して彼らの兵力で明を征服すれば、返す刀で我が国を攻めることで侵略も可能になる、と考えました。つまり、明がイスパニアによって滅ぼされれば、次は我が国が確実に狙われるということなのです。
この構図は、鎌倉時代に起きた元寇(げんこう)そのものでもあり、イスパニアの動きをつかんでいた秀吉にとっても気が気ではありませんでした。明がイスパニアによって征服されるのを黙って見ているわけにはいかないとすれば、秀吉にはどのような策があるのでしょうか。
我が国への侵略の前提として明を攻めようとしたイスパニアでしたが、中国大陸へ直接攻め込めるだけの大きな軍艦は所有していたものの、それこそ地球の裏側まで多数の兵を連れて行くことができず、キリシタン大名の兵力を借りなければならないと考えるほどの兵力不足でした。一方の我が国ですが、兵力や鉄砲による火薬力こそは充実していましたが、外航用の大きな船を建造するだけの能力が当時はありませんでした。
※下記の映像は11月7日までの掲載分をまとめたものです。
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