元禄小判の発行は、世の好景気をもたらすとともに幕府の収入を増やしましたが、貨幣の価値が下がったことに対して「金の価値を落とした偽物を市中に出回らせることで不正な利益を上げているのはケシカラン」という批判が幕閣の中で起きました。
これらの声に対し、荻原重秀は「幕府が一両と認めるのであれば、たとえ瓦礫(がれき)であろうと一両の価値に変わりはない」と反論しましたが、重秀の考えは、瓦礫を紙切れに換えれば、私たちが普段から使用している紙幣と全く同じことになります。
「お金の信用はその材質ではなく、裏打ちとなっているのは政府の信用である」という思想が、20世紀の経済学者であるイギリスのケインズによって世界中に広まりましたが、それより200年以上も早く実践していた重秀の先見性に対して、私たちはただただ脱帽するばかりです。
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